Stack 5D dual projection system
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Stack 5D System, final thoughts |
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Project of Passive 3D with dual projector in home cinema part6:Stack 5D System, final thoughts |
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Summary | ||||
I buid DIY passive 3D system with dual HD projector, JVC DLA-HD750. The other major components in this system consist of passive 3D source component, polarizing set and silver screen. In this article, summary of my polarized passive 3D and stack 2D system whick I named stack 5D system is described. Online reviews of passive 3D in home theater suggests the difficulties and expensiveness. Consumer model for dual projection system is very expensive and limited in models, On the other hand, DIY tryals are not uncommon among enthusiasts. I’ve tried DIY passive system during about one year. Continuous struggle and troubleshooting storm has attacked me, but I think I could finally overcome, The process was satisfactory as a hobby. |
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Key features | ||||
1. DIY passive 3D dual projection and stack 2D system, In other words, stack 5D system. |
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Project of Passive 3D with dual projector in home cinema | ||||
Part1: Oakly RealD passive 3D glasses (http://monolith-theater.net/hal/?p=13728) Part2: 150 inches silver screen for passive 3D (http://monolith-theater.net/hal/?p=13847) Part3: Polarized filter of dual projector for passive 3D (http://monolith-theater.net/hal/?p=13986) Part4: Dual head passive 3D (http://monolith-theater.net/hal/?p=14416) Part5: Demultiplexing passive 3D (http://monolith-theater.net/hal/?p=14833) Part6: Stack 5D system, final thoughts (this post) |
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Dual Projector set up | ||||
DIY Dual Projector Mount: http://monolith-theater.net/hal/?p=12942 Stack2D projection with dual DLA-HD750- DIY for best installation - http://monolith-theater.net/hal/?p=13190 |
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E-mail hal@monolith-theater.net THX certified professional home theater1 (US), JDPC DHT specialist level2 (JP) |
Stack 5D dual projection system (ver1.0)
Stack 2Dとpassive 3D のまとめ
INDEX 1.はじめに |
1.はじめに
Introduction
Stack 2D + Stack Passive 3D = Stack 5D
HDプロジェクターを2台利用する事でとても明るく精細な2Dと、目にストレスの少ない3Dが可能です。
特に3Dでのパッシブ方式は、常に両眼用の左右の映像を投射するシャッターレス方式です。アクティブ方式とは根本的に動画性能が異なり、より生理的な目に優しい投射方式です。現在の家電3Dプロジェクター単品では実現できない高画質3Dです。
過去5回にわたりデュアルプロジェクターを使った円偏光方式のスタック3Dパッシブシステムについて掲載してきました。今回は総集編です。ここではパッシブ3Dの投射方式を中心にその特徴をまとめてみます。
2.スタックシステムの現状とその特徴
Stack System with Dual Projector, history and characteristics. Why it should be?
2-1. 業務用
プロジェクターを2台使う方法はかなり以前からあります。明るさを稼ぐ目的に使われることが多く、パブリックスペースなどでの2Dプレゼンテーションに使われます。また3D表示としては劇場やVRに利用されています。RealDやIMAX 3Dは偏光方式の代表的な例です。IMAXの3Dでは巨大なスクリーンにデュアルプロジェクターが適用されています。業務用では珍しくない方式です。
Sony SRX-320/ Dual lens 3D mode RealD circular polarized (sony original video) |
IMAX digital cinema 3D linear polarlized (youtube video) |
[Reference] Timothy Fernandez. (2011) An overview: RealD 3D vs. Imax Digital 3D . asia.cnet.com, [online] May 30, Available at: http://asia.cnet.com/an-overview-reald-3d-vs-imax-digital-3d-62208932.htm [Accessed: 28th Nov 2011]. barco (2011) An Integrated Solution for 3D Visualization, [online] Available at: http://www.barco.be/en/simulation_virtualreality/product/544/features [Accessed: 28th Nov 2011]. 吉川慈人. (2011) PortableVRの紹介. VizJournal, [online] Available at: http://kgt.cybernet.co.jp/viz-journal/contents/ver1/newprod/pvr.html [Accessed: 28th Nov 2011]. 大口孝之.eiga.com (2008-2011) 第三の革命 立体3D映画の時代,第1回-11回 [online] Available at: http://eiga.com/extra/oguchi/1/ [Accessed: 28th Nov 2011]. pro.sony.com. SRX-R320 4K Projector-3D Lens Change Demo, [online] Available at: http://pro.sony.com/bbsc/video/channels-hiresprojectors/video-srxr3204kprojector_3dlenschange/ [Accessed: 28th Nov 2011]. Youtube.com (2011) What is IMAX 3D? , [online] Available at: http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=lM3zNImMwH8 [Accessed: 28th Nov 2011]. 財団法人デジタルコンテンツ協会 (2007) デジタルシネマに関する調査研究報告書, [online] Available at: http://www.dcaj.org/report/2006/data/dc07_06.pdf [Accessed: 28th Nov 2011].
2-2. 個人の趣味
海外のコアユーザーを中心にDVDでの3Dソフトウエアやゲームでデュアルプロジェクターが使われてきた経緯があり、これも特に新しいものではありません。専用マウントやスクリーンを含む再生システムセットが紹介されていて、ネットでも個人で購入することができます。最近では劇場と同じ方式、Infitecや偏光方式の例が散見されます。CEDIAやIFAでは、RuncoやSim2からコンシューマー用のデュアルプロジェクターやデュアルレンズシステムが紹介されています。業務用のBarco 4Kプロジェクターをデュアルで使いパッシブ方式をDIYで実現しているホームシアターの例もあります。おおむね$100k以上の世界です。
Barco DP4K-B32 stack in home cinema.
W.Mayer. (2011) “World Premiere 4K 3D DLP passive Stack”.[avsforum] 7th July,
Available at: http://www.avsforum.com/avs-vb/showthread.php?t=1346057 [Accessed: 28th Nov 2011].
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Rnco 3Dimension D-73d unboxing part1 | Rnco 3Dimension D-73d unboxing part2 |
2-3. 普及しない第一の理由はそのコスト
現在でもアマチュアではごく一部が利用しているに過ぎません。前述したRuncoやSim2などハイエンドプロジェクターはそれだけで5万ドルを超える代物で非常に高価です。DIYで行う場合でも2台のプロジェクター、方式によっては特殊なシルバースクリーン、光学系の追加が必要で、ソース機器も工夫を要し、シングルプロジェクターシステムの数倍以上のコストになります。かつて某国産プロジェクターメーカーの新機種発表会でデュアルの偏光3Dの可能性について議論したことがありますが、少なくとも国内にそのニーズはなくマーケットとして認識していませんでした。大きな理由はトータルコストです。
2-4. 調整の難しさ
これも際立っています。2台のプロジェクターからの映像をスクリーン上で適切に配置するには相当な労力と技術が必要です。プロのインストーラーでさえその設置と調整の困難さからデュアルプロジェクターは推奨しない、あるいは危険だという意見すらみられます。これらのトータルソリューションを提供してくれるメーカーやベンダー、インストーラーも存在しないので、おおむねDIYでトラブルシュートしながら解決せねばなりません。
[Reference] George Walter, residentialsystems.com (2011) Four Reasons to Avoid Stacking Projectors for Passive 3D Installs, [online] Available at: http://residentialsystems.com/blog/53852.aspx [Accessed: 28th Nov 2011].2-5. 映像の品質の高さ
それでも私がデュアルプロジェクター方式に挑戦しようと思った理由が画質の高さです。2D, 3Dともにデュアルにすると大きく再生品質が向上します。メガネは軽く明るさは2倍です。スタックパッシブ3D方式では両眼で視聴しますが、アクティブでは常時片目視聴で、動画の安定感には特筆すべきものがあります。これを前述のRuncoではConstant Stereoscopic Video (CSV)と呼び、パッシブの大きなアドバンテージとして紹介しています。またパッシブ3Dの画質の高さはインストーラーの間でも折り紙つきで、CEDIAでもアクティブを押さえ各賞を受けています。
コンシューマ用の3D表示装置はアクティブ方式が主流ですが、今回の企画は感性的にアクティブ方式に合わない事がきっかけになっています。アクティブではどうしてもちらついて疲れ、長くは視聴できません。このちらつきは劇場による違い、パッシブ偏光方式のIMAX 3Dに比べアクティブのXpanDでも強く感じます。パッシブもアクティブも両眼の視差という錯覚を利用する方式ですが、アクティブではこれに加えて高速で左右の目を閉じて残像を利用するという錯覚を重ねています。3D全般に関する病理学的な取り組みもあるほどで、すでに3D立体視専門のクリニックも開設されています。できれば眼に負担をかけない、より生理的な方法を選択する事も重要です。
[Reference] George Walter. (2011) The Dangers of Stacking Projectors for Passive 3D. cepro.com, [blog] Feb 15, Available at: http://www.cepro.com/article/the_dangers_of_stacking_projectors_for_passive_3d/ [Accessed: 28th Nov 2011]. Pacific University Oregon (2011) College of Optometry EyeClinics, [online] Available at: http://www.pacificu.edu/optometry/patients/clinics/ [Accessed: 28th Nov 2011].Don Woligroski. (2010) Build Your Own: Wall-Sized 3D Gaming, Just Like Theaters Do It . tom’s hardware, [Article] March 30, Available at: http://www.tomshardware.com/reviews/3d-polarized-projector,2589.html [Accessed: 28th Nov 2011]. Patrick Miller and Tim Moynihan. (2011) Active 3D vs. Passive 3D. PCWorld, [Article] Apr 15, Available at: http://www.pcworld.com/article/225218/active_3d_vs_passive_3d.html [Accessed: 28th Nov 2011]. CEPro (2010) Best 3D Demos at CEDIA, [online] Available at: http://www.cepro.com/slideshow/image/7247/ [Accessed: 28th Nov 2011]. Runco.com (2011) Runco 3Dimension Series Projectors, [online] Available at: http://www.runco.com/products/projectors/3dimension/ [Accessed: 28th Nov 2011]. John Sciacca. (2011) First Look! Runco D-73D 3D Video Projector. JOHN SCIACCA WRITES…, [blog] March 17, 2011, Available at: http://johnsciacca.webs.com/apps/blog/show/6442386-first-look-runco-d-73d-3d-video-projector [Accessed: Jn 4th, 2012].
3.スタック5Dシステムの構成
Stack 5D System, Configuration
今回検討を行ったスタック5D デュアルプロジェクターシステムの構成図です。左にスタックプロジェクター、右にソースシステムを示しています。スタックプロジェクターは2D,3Dで周辺装置を切り替えます。3Dの場合はシルバースクリーンとプロジェクター用偏光板、偏光メガネが必要ですが、2Dの場合は裸眼で視聴する通常の形態です。3DでのソースシステムはDual HeadかDemultiplexerを利用します。2Dではそれに加えSplittting 2Dが利用できます。
以下では5Dシステムの要である4つの事項の構築・調整法や留意点について書いてみます。Part1-5と重複する内容ももありますが、より現実的な切り口で書いています。
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スタックパッシブ3Dシステムの構築・調整法 | ||
4. デュアルプロジェクターの調整 |
4.デュアルプロジェクターの調整
Stacking projectors, DIY projector mount and exact registration maching
デュアルプロジェクター設置台の自作 http://monolith-theater.net/hal/?p=12942
スタック2Dプロジェクターの調整 http://monolith-theater.net/hal/?p=13190
に詳細を記載しています。
4-1.設置台の重要性
プロジェクターをスタック構成にするにあたって最も重要で困難なのがレジストレーションです。2つのプロジェクターの画像をスクリーン上でぴったり合わせなくてはなりません。手順としては1台目(primary projector)をスクリーンに対して調整し、2台目(secondary projector)をprimaryと一致させます。この時secondaryの調整範囲が問題で、設置に対する高い柔軟性が必要です。このため調整機構を備えた設置台を自作しています。
プロジェクター姿勢調整機能を持った自作設置台。天吊り仕様にして蝶ナットで姿勢を調整しています。前後方向にもスライドし調整可能です。材料費2000円。
左調整前: 上下方向に大きくずれたsecondary projector
右調整後: 調整後のテストパターン映像。デュアルに見えない。
プロジェクターの性能に合わせた設置状況、すなわち置き方が重要で、むしろこれだけで9割がた結果が決まります。残る10%を電子的調整で詰めるという印象です。どうしてもうまく行かないときは設置を見直したほうが近道です。詳細は「スタック2Dプロジェクターの調整」http://monolith-theater.net/hal/?p=13190 に記載しています。
Sim2 Grand Cinema C3X Lumis 3D。数少ない市販のデュアルパッシブ3Dプロジェクターのひとつ。上のsecondary PJ側には前後左右に調節可能調整機構を備えている。PJ込みのセットで$80000。ビデオはCEDIA 2010でのプレゼンテーション。設置台仕様 quick-start-guide-c3x-lumis-3d
4-2. スタック2D 厳密な調整が必要
スタック2Dの構成を上に示しています。ソース形式は3とおりです。以下に2Dでのプロジェクターの調整方法を手順を追って書いてみます。
1. 暫定設置でディストーションの出にくいレンズ部位を探し、光束が其の付近を通るように本設置する。
シフトとズームの全調整範囲でクロスハッチの歪みを観察する。
2. 光束はできるだけ絞る。すなわちテレ側に設定できるよう設置する。
3. レンズとスクリーンの距離が2台で一致するように前後にPJを微調整する。
4.2台のプロジェクターとスクリーンを正確に正対させる。レーザー距離計などを使用。
自作のレーザー距離計でプロジェクターをスクリーンに正対させている様子。
キーストーンやスキュー歪みはプロジェクターとスクリーンの正対関係が影響する
5. 1台目のクロスハッチを正確にスクリーン枠内に収める。
6. 2台目のクロスハッチを重ね、ズームとシフトで大まかに合わせる。
7. センターが固定されていないズームの場合は、まずクロスハッチ外側枠をズームで合わせその後シフトで上下調整。
8. それでも合わない場合はPJ自体の姿勢を微調整する。マウント自体にPJ姿勢調整機構を装備と便利
9. 更にズームとシフトで微調整する。
以上で私の場合はほぼ完全に合わせることができます。慣れると、PJを移動して一から調整しても15分で終了します。投射距離は8m. 画像サイズは200インチでも可能なので、それよりスケールが小さい場合は更に調整しやすいと思います。しかし、ここで終了しないのがスタックの難しいところです。
10. 経時的にレジはずれてゆくので翌日、数日後1週後と再調整する。
これはマウントがPJの重量などで変形することによります。よって設置状況によってその量に大小があります。
11. プロジェクターを稼動させると時間単位でレジがずれてゆくので、対策を試みる。
PJの機種によると思いますが、これは相当に厄介です。一部のインストーラーの間でheat shiftとも呼ばれよく知られた事項です。おおむね映画を見る時間帯内でプラトーに達しますが、できるだけ短時間に安定させるために以下の工夫をしています。要はPJの温度管理です。数ピクセルの問題です。自動調整機能付きのプロ機もあるようです。
12. PJ周囲の通風に配慮する。私の場合はサーキュレーターでPJ周囲の温度を一定にしています。
13. 電源投入からスクリーンセーバーか適当なソフトを起動する(プレヒート)。
14. レジのずれ方を記録し、プラトーに達する経過時間を計測する。私の場合は約40分です。
14. ズレが安定した時点で再びレジを調整する。すなわちプレヒート後40分のレジがデフォルトになります。
15. 映画を視聴する際には40分前にプレヒートを開始する。
以上が固定画素のスタック2Dで最高の重複投射映像を得る方法です。どうでしょう?これは厄介です。めんどうです。しかしCRTプロジェクター、いわゆる三管を天吊りして自分で調整された方なら「これだけか?」と思うかもしれません。これが趣味です。プロには真似できません。高々数ピクセルの話なので最高の条件でなくともよければ、事前準備は不要です。映画で40分などあっという間なので、中盤からラストには完全に合っています。
ただし当シアターでは音響系も事前準備が必要なので手間は一緒です。10MHzルビジウム発振機をマスタークロックにしているので安定するのに30分ほどかかります。( AV System Summary http://monolith-theater.net/hal/?page_id=2#diagram ) よって当シアターでは
16. プロジェクタープレヒート開始と同時にマスタークロックを起動する。
となります。
n-shift?
ひとつ不思議なことがあります。二つのプロジェクターの画素は多分100%完全にあっているわけではないと思われます。事実シングルではスクリーンに近接すると画素が確認できますが、デュアルにすると見えなくなります。この状態で200インチ7mの距離で視聴するとシングルに比べなぜか解像感があがり、発色もよくなったように見えます。勿論明るくなっている事もありますが、単体とガンマが違うように感じます。色に関しては後述のカンマの個体差が平均されたため起こることかもしれません。解像感に関してはいわゆるwobulationと似た効果なのかもしれません。JVCのe-shiftならぬn-shift、すなわち意図せぬnatural shiftで画素ずらし効果が出ているのかもしれません。但しこれは1ピクセル以内の話で、数ピクセルもずれるとぼけた映像になります。
Wikipedia (2011) Wobulation, [online] Available at: http://en.wikipedia.org/wiki/Wobulation [Accessed: 28th Nov 2011]. Kevin C. Tofel, q. (2005) Wobulation: solid pic or shaky science?. engadget, [blog] Oct 17th, Available at: http://www.engadget.com/2005/10/17/wobulation-solid-pic-or-shaky-science/ [Accessed: 28th Nov 2011].
4-3.スタックパッシブ3D 甘い調整でも問題なし
2Dとは対照的に3Dでは神経質になる必要はありません。3Dでは少々のレジのズレなど認知できません。左右の目は別々にフォーカスのあった映像しか見えていません。またもともとの映像がずれているので脳がレジのズレをも修正してしまうように思います。特に多少の横方向のズレは問題ありません。縦方向は修正すると解像度が上がるような感覚です。またDual Head Stack 3Dで紹介したStereoscopic Playerにはこれを修正する機能がついています。キーボードの上下左右の矢印キーで即座に修正できるので便利です。
[Reference]Wikipedia (2011) Distortion (optics), [online] Available at: http://en.wikipedia.org/wiki/Distortion_(optics) [Accessed: 25th Nov 2011]. STEREOeYe 「立体写真」業務日誌 (2007) [工作] 3D用プロジェクター台, [online] Available at: http://stereoeye.tea-nifty.com/blog/2007/11/post_a8aa.html [Accessed: 25th Nov 2011].
4-4. プロジェクターの個体差
プロジェクターには個体差があります。素子、光学系、筐体など総合すると必ずあると考えてもいいようです。2つのプロジェクターの映像を合わせる際に問題になります。今回のデュアルプロジェクターシステムで感じたのは以下の点です。
明るさ:ランプの個体差です。デュアルをはじめるにあたってランプ交換をしましたが、同時に交換したにもかかわらず、明らかに明るさが違います。これはメーカーにも聞いてみましたが、プロジェクターの部品の中でも、最もばらつきの多いパーツだそうです。
レンズディストーション:レジを合わせるときにディストーションが問題になりますが、これも個体差があります。今回も初回の設置では映像周辺部に歪み方にわずかに違いがあり、それを避けるため両者のディストーションが一番小さくなるレンズ部位を使うために設置を変更しています。
Heat Shift :これもプロジェクターによって違いが出ます。例えば今回はprimaryはわりと早めに定常状態(plateau)に達しますが、secondaryは遅れます。またその量も異なります。そもそもheat shiftの原因は不明ですが、素子、レンズ光学系およびその支持機構、筐体などの熱膨張によるものと思われます。専門家にも聞いてみましたが、どのパーツが主因とも言えないようです。
5.偏光光学システムのセットアップ
Polarization Optics
オークリーの3D偏光メガネ http://monolith-theater.net/hal/?p=13728
デュアルプロジェクター用偏光板 http://monolith-theater.net/hal/?p=13986
に詳細を記載しています。
5-1. 偏光方式の選択
HD750でRGB各色に対してすべて偏光方向が水平であることを確認している様子。偏光サングラスを使用。
プロジェクターには機種特有の偏光特性を持っているものがあります。まずこれを調査する必要があります。上の写真はHD-750の偏光特性を検討している様子です。HD-750のように直線偏光であれば、偏光板の直線偏光軸を平行にして最大透過光を得る事ができます。この場合偏光依存性をなくすため1/4λ板を使った円偏光によるRealD方式を選択します。直線偏光方式は成立しません。3Dメガネはプロジェクター偏光板の直緯偏光軸と直交する直線偏光特性を持った円偏光メガネを使用します。
パネル・メーカ別で比較すると今までの海外の報告ではLCoS、DLAは水平偏光、LCDはRB水平G垂直偏光で、DLPやPanasonicのLCDは偏光特性を持っていません。DLPなど偏光特性のない場合はプロジェクター偏光板はメガネに合わせた直線偏光軸を設定します。直線偏光システムでも円偏光システムでも可能です。LCDのようにRGB毎に偏光方向が違っていればSPARフィルターを使用します。あるいは偏光方式はあきらめ、Infitec方式なども検討してもいいかもしれません。Infitecはコンシューマー用のデバイスを来年出す予定です。
いずれにせよ同じパネルでもメーカー・モデルによって偏光特性が異なる場合があるので、実機で試してみないと確実なことはいえない状況です。事実DLAは新モデル(X70R等)から偏光特性が変わっています。
5-2.クロストークの軽減
偏光板に対してのメガネの遮光テスト(左)とメガネの直線偏光軸の確認(右)
プロジェクター偏光板は水平偏光軸と1/4波長版、メガネは垂直偏光軸と1/4波長版を組み合わせると
反対側の偏光に対して最大遮光が得られる。遮光テストで遮光側のレンズが明るいほどクロストークが多い。
既製品のメガネを使用する場合はメガネに合わせてプロジェクター用偏光板を購入するか製作します。円偏光方式の場合、プロジェクターに対する偏光依存性はなくなりますが、偏光めがねの直線偏光軸は偏光板のそれと直交させるのが原則です。メガネの片方の遮光が悪いケースは直交してないのが原因の事があります。
それでもクロストークがある場合は1/4λ板の位相差特性を確認します。市販の製品は位相差特性、リターデーションが様々です。140nmの製品が多いようです。メガネがRealD準拠の場合は125nmです。したがってプロジェクター偏光板も125nmにする必要があります。既製品がなければ直線偏光板と波長版を組み合わせて自作します。その点、2セットの偏光メガネの一方をプロジェクターに適用すれば少なくともリターデーションは合っていますが熱に注意が必要です。偏光板は熱で劣化しクロストークが増えてきます。
通販系プロショップでは型番を指定して買うケースが大半なので、事前に偏光特性を十分考慮し、設計しておく必要があります。また専門店ではカスタマイズオーダーができるケースもあるので、自分の環境に合った偏光板と偏光メガネの製作も可能です。
3dlens.com (n.d.) フレネルレンズ, 偏光板, [online] Available at: http://www.3dlens.com/japan/polarizer.php [Accessed: 25th Nov 2011].
The 3D market (n.d.) Polarized 3D, [online] Available at: http://the3dmarket.com/collections/polarized [Accessed: 25th Nov 2011].
INITION (n.d.) Inition Polarising Filters, [online] Available at: http://www.inition.co.uk/3D-Technologies/inition-polarising-filters [Accessed: 25th Nov 2011].
ソリッドレイ研究所 (2011) 3Dメガネ・偏光板, [online] Available at: http://www.solidray.co.jp/product/eizou/megane.html#4 [Accessed: 28th Nov 2011].
6.シルバースクリーン
Silver Screen
偏光3D用シルバースクリーン http://monolith-theater.net/hal/?p=13847
に詳細を記載しています。
6-1.市販のシルバースクリーン
流通しているものが少ないので、販売店とよく相談してから購入するのが原則です。サンプルを送ってもらえる場合もあるので、それで性能を確認できます。物にもよりますが高価なものは1インチ1万円は覚悟しておいたよさそうです。サウンド仕様も可能です。基本的に業務用なので、個人では入手しにくいかもしれません。Stewartは個人の場合は販売店を介さず直接取引できます。海外通販では安価なものもあります。
http://www.mpskk.jp/PDF/stewart3D.pdf
with THX Audio and Visual Certification (ISE 2011).
cinenow (2011) Stewart Filmscreen Silver 5D Screen for Both 3D and 2D with THX Audio and Visual Certification (ISE 2011). [ online video] Available at: http://www.cinenow.co.uk/videos/2856-stewart-filmscreen-silver-5d-screen-for-both-3d-and-2d-with-thx-audio-and-visual-certification-ise-2011 [Accessed: 28th Nov 2011].
6-2.自作偏光用スクリーン
塗料、布、パネルなど金属粉が塗られていて表面が平滑なものを試してみます。偏光方式の場合は偏光特性を保持する必要がありますが、自作の場合実際に試して見ないと事前に性能を予測することは不可能です。どのような素材にしろ大きなもの、特に100インチ以上になると入手しにくく継ぎ目ができます。シルバースクリーン用の専用塗料に性能のいいものもあるので考慮してもいいかもしれません。Screen Gooのシルバー塗装は腕のよい職人がスプレーを使うと、海外トレードショウでプロジェクターメーカに採用されるほど既製品と変わらない品質です。http://screengoojapan.com/
手前にGoo Systemsでシルバー塗装したStewart HD130サウンド仕様
奥はStudiotek 130 G3:200inch Microperf X2 THX-Ultra
http://monolith-theater.net/hal/?p=1115
ゲインの高いものはホットスポットは避けられません。円偏光方式では偏光板と偏光メガネで輝度が50%以下に落ちるので、裸眼で認知できるほど目立ちません。現在ゲイン4.2を使っていますが、よくみるとホットスポットがあるのがわかりますが、これでも視聴上考えるほど障害にはなりません。Stewart Silver5Dだと2.0位なのでちょうどいいかもしれません。
いずれにせよ、趣味で行う偏光方式ではこのシルバースクリーンが最もハードルが高いかもしれません。うまゆくかどうか判らないうちから価格の高いものを購入するのは難しいので、自作から入るのが妥当と思います。私も現在は古いスクリーンにシルバー塗装した自作スクリーンでシステム検証を行っています。逆説的にいえば最も悩むところであり、すなわち趣味として長い間楽しめます。
7.3Dソースシステム
3D Source System
QuadroによるopenGL passive 3D http://monolith-theater.net/hal/?p=14416
Optoma 3D-XLを利用したパッシブ3D http://monolith-theater.net/hal/?p=14833
に詳細を記載しています。
7-1. パッシブ3Dに必要な機能
フレームパッキング信号から左右の映像を取り出す機能が必要です。市販のブルーレイ3DプレーヤーはHDMI1.4でフレームパッキング信号を出力できますが、左右の映像を分けて出力することはできません。従って、HDMI1.4の信号を最初から分けて出力できるプレーヤーか出力経路中で分離するプロセッサーが必要です。
上の図はパッシブ3Dとアクティブ3Dでのブルーレイ3Dに含まれるフレームパッキング3D映像の伝送様式の相違を示しています。パッシブ3DではHDMI1.4から分離された左右の映像は2台のプロジェクターで同時投射され、偏光メガネで分離します。アクティブ3Dでは1台のプロジェクターで左右の映像が交互に投射され、それに従ってメガネのシャッターも交互に開閉します。パッシブ3Dソースシステムを構築するにはフレームパッキング信号から左右の映像を分けて取り出し、2つのプロジェクターに送る必要があります。
7-2. 市販のウルトラハイエンドパッシブ3Dプロジェクター
海外にはこの機能をプロジェクターに備えているものが発売されています。RuncoとSim2がその代表です。これらはHDMI1.4を入力端子を備え、以後の信号処理を独自のプロセッサーユニットが行います。残念ながら日本には、このようなコンシューマーを対象にしたハイエンドプロジェクターメーカーは存在しません。家電メーカーの$20k未満のエントリー機が中心です。
*Runco 3Dimension™ D-113d Projector. MSRP $199,995
*Clint DeBoer.(2011) Runco 3Dimension D-113d Projection System Preview. Audioholics, [blog] Sep 28,, Available at: http://www.audioholics.com/reviews/projectors/runco-3dimension-d-113d [Accessed: 28th Nov 2011]. HDMI1.4入力でパッシブ3Dが可能なインターフェースを備えたデュアルエンジン、デュアルレンズのウルトラハイエンドプロジェクター
*Ultra High-End audio and Home Theater Forum. (2011) Runco’s Best-In-Class 3Dimension D-113d Projector Shipping. Ultra High-End audio and Home Theater Forum, [Forum] Jan 3, 2012, Available at: http://www.ultrahighendforum.com/viewtopic.php?p=17501&sid=ba5b69f654d4e01bbdb1d27829486fc4#p17501 [Accessed: Jan 4, 2012].
*Rachel Cericola. (2011) Runco Starts Shipping 3Dimension D-113d Projector. electronic house, [blog] Jan 04, 2012, Available at: http://www.electronichouse.com/article/runco_starts_shipping_3dimension_d-113d_projector/?utm_source=eh&utm_medium=rp [Accessed: Jan 05, 2012].
7-3. 自作PCでのDual Head 出力
Runcoやsim2は国内ディーラーを持っていないので、パッシブ信号処理はDIYで解決するしかありません。方法は2つあります。HTPCでのDual Headを使う方法と、市販のDemultiplexerをdualで使う方法です。Dual HeadはHTPC内で、DemultiplexerはHDMI出力経路中のプロセッサーで左右の信号を分離します。
下にその概要を示しています。Dual Headはquad buffered openGLを利用する事がポイントで、VGAはQuadro, プレーヤーはStereoscopi Playerのdual monitorモードを使っています。プロジェクターもAVアンプもHDMI1.3対応品で実現できます。ただし自作PCに慣れていないとセットアップの難易度は高いかもしれません。
自作PCをパッシブ3Dのソースデバイスとした例は海外にもいくつかあります。Gameが主な用途とブルーレイ3Dを目的としたケースに分かれます。しかし、ブルーレイでは本例と同様にAACS等の問題を解決できていません。またRadeonのsync issueも指摘されていますが、Eyefinityモードではうまくいくようです。いずれにせよ海外でもQuadroを使用した例はGoogle(英語)で検索する限り見当たりません。
BlackShark,(2010) My Passive polarised Dual-projector setup . MTBS3D, [Forum] 30th Aug , Available at: http://www.mtbs3d.com/phpbb/viewtopic.php?f=122&t=11320&sid=794e2dff01899c67fd9e6cedd1699569 [Accessed: 28th Nov 2011]. RadeonのEyefinityでsingle surfaceを構成した例
7-4. Demultiplexerの利用
ビデオアダプターの中には本来の使い方でない方法でHDMI1.4信号の分離が可能なものがあります。Optoma 3D-XLはその例で、フレームパッキングのdemultiplexerとして利用できるモードを備えています。同種の製品は他にもありますが、入手性から3D-XLを利用しています。
3D-XLは本来120Hz動作の720p DLP 3Dプロジェクター用のコンバーターです。加えて1080p dualモードも備えていて、フレームパッキング信号から片方の信号を分けて取り出すことができます。セットアップはディップスイッチだけなので容易です。これは海外での報告も多く、各種レビューでもパッシブの方法論として最初に取り上げられるほどよく知られています。
8. 企画段階での調査・検証
Investigation and Preliminary Verification about dual projector and passive 3D
デュアルプロジェクター、パッシブ3Dに関する考察
ブルーレイ3D対応PowerDVD10発売 http://monolith-theater.net/hal/?p=5262#dualPJ3D (2010-3-9)
3Dプロジェクター情報 http://monolith-theater.net/hal/?page_id=9402 (2010-9-4)
偏光方式の可能性 Feasiability of polarised passive 3D at home http://monolith-theater.net/hal/?p=10421#IFA (2010-11-7)
Polarised passive 3Dの可能性(part2) http://monolith-theater.net/hal/?p=11099#appendix (2010-12-28)
アクティブ3Dの視聴および動作検証
ソニー3Dブラビア LX900プレビュー http://monolith-theater.net/hal/?p=6031 (2010-4-26)
Nvidia 3D Vision by GTX480 and Acer GD245HQ (3D-HTPC part1) http://monolith-theater.net/hal/?p=7059 (2010-5-20)
TrueTheater 3D (PowerDVD 10) の音声と立体映像 http://monolith-theater.net/hal/?p=7937 (2010-6-2)
自作PCでのブルーレイ3Dディスクの再生 http://monolith-theater.net/hal/?p=8475 (2010-7-30)
TotalMedia Theater 3 PlatinumでのBlu-ray 3D再生 http://monolith-theater.net/hal/?p=8637 (2010-8-9)
WinDVD Pro 2010 でのBlu-ray 3D再生 http://monolith-theater.net/hal/?p=8874 (2010-8-20)
GTX460のロスレス音声HDMIビットストリーム出力(2D,3D/PowerDVD) http://monolith-theater.net/hal/?p=9822
(2010-10-13)
Acer H5360によるblu-ray 3D, 200インチ立体映像 http://monolith-theater.net/hal/?p=10185 (2010-10-20)
JVC DLA-X7/X3 プレビュー http://monolith-theater.net/hal/?p=10421 (2010-11-7)
TotalMedia Theater 3 による200インチ3D http://monolith-theater.net/hal/?p=10641 (2010-11-13)
TotalMedia Theater 5 でのblu-ray 3D http://monolith-theater.net/hal/?p=10766 (2010-11-19)
JVC DLA-X7でのRadeon HD6870によるAMD HD3D http://monolith-theater.net/hal/?p=11099 (2010-12-28)
Radeon HD 6570によるAMD HD3D http://monolith-theater.net/hal/?p=12627 (2011-7-1)
JVC DLA-X70R, X30プレビュー http://monolith-theater.net/hal/?p=14156 (2010-11-16)
パッシブ対応HTPCシステムの動作確認
偏光3DディスプレイRDT233WX-3Dによるblu-ray3D http://monolith-theater.net/hal/?p=12283 (2011-6-24)
Intel InTru3D by Core i7 2600K http://monolith-theater.net/hal/?p=12494 (2011-6-28)
Optoma 3D-XLの3D-HTPC互換性 http://monolith-theater.net/hal/?p=12751 (2011-7-9)
デュアルプロジェクターのセットアップ開始
デュアルプロジェクター設置台の自作 http://monolith-theater.net/hal/?p=12942 (2011-7-23)
スタック2Dプロジェクターの調整 http://monolith-theater.net/hal/?p=13190 (2011-8-23)
デュアルプロジェクターでの偏光パッシブプ3Dプロジェクトの本格始動
Project of Passive 3D with dual projector in home cinema
Part1: オークリーの3D偏光メガネ http://monolith-theater.net/hal/?p=13728 (2011-10-24)
Part2: 偏光3D用シルバースクリーン http://monolith-theater.net/hal/?p=13847 (2011-10-26)
Part3: デュアルプロジェクター用偏光板 http://monolith-theater.net/hal/?p=13986 (2011-11-10)
Part4: QuadroによるopenGL passive 3D http://monolith-theater.net/hal/?p=14416 (2011-11-17)
Part5: Optoma 3D-XLを利用したパッシブ3D http://monolith-theater.net/hal/?p=14833 (2011-11-24)
Part6: デュアルプロジェクターによるStack 5D System (本稿)
9. 最後に
Stack 5D System, Final thoughts
事前調査を含め1年以上にわたりデュアルプロジェクター、特にパッシブ方式の3Dについて検討してきました。ここに至るまでに投稿した関連記事は28本にのぼります。一応劇場と同じRealD方式での3Dを実現できたと思います。まだまだ改善の余地がありますが、この時点で関連資料を含め概要をまとめたのがこの投稿です。システムとしてはStack 5D system version1.0としています。チラー冷却システムを作った時以来の長期間にわたる取り組みです。[720p時代のHTPC(2004~2006) http://monolith-theater.net/hal/?page_id=80 ]
趣味としては骨のある、噛めば噛むほど味の出るシステムです。従来のAVシステムにとっては異例の偏光光学にも触れましたが、とても面白い領域です。また調整機能つきのデュアルプロジェクター設置台製作は難易度は高くないものの、楽しい作業でした。メインの趣味である日曜大工をAVシステムに活用できたので充足感もひとしおです。プロジェクターの調整など総合的には難易度の高いシステムですが、自作PCを含めDIY環境が整っていれば実現可能です。DIYは手作業が増えるほどコストパフォーマンスが良くなります。
価格的には業務用と民生用との重複した領域です。民生用ではプロジェクターだけで$80kから$200kのウルトラハイエンドマシンしか存在しません。海外では評価の高いこれらの機種も日本ではマーケットとして認知されておらず入手できません。前述したようなBarcoの業務用4KDLPをデュアルで使う気持ちもわかるような気がします。実は私も過去にChristieと本気で議論しています。業務機は爆音対策と排気システムの追加のための改築工事が必要です。
対して今回のDIYでは、secondaryプロジェクターの追加15, 設置台0.5、スクリーン5, 偏光システム1,自作PC 8,その他8で計約40万弱です。機材は買い足しでありかつ1年以上かけたので月単位平均では数万になっています。丸ごと新品でセットアップすればかなりの出費になります。DIYと中古で挑戦するシステムです。HDMI1.3のプロジェクターを使ったパッシブ3Dの方がHDMI1.4のアクティブ3D最新型よりもパフォーマンスがいいというのも皮肉な結果です。
1920×1080のHD解像度での3Dとしては市販のアクティブ型を大きく凌駕する動画性能です。ちらつきのない、より生理的で安定した疲れの少ない3Dを体験できます。2時間近くの映画でも立体視という事にとらわれず、その内容に集中できるようになります。スタック2Dでは200インチでも明るすぎるほどの光量が得られます。
3Dの精細感はプロジェクターの2D性能をそのまま反映します。明るさは十分です。900lmをデュアルで使い、偏光システムで理論上半分ほどになるので単体と同じ明るさを確保できます。クロストークも偏光システムに依存しますが、基本的に認知できません。円偏光なので頭位や姿勢にも影響されず、横になってリラックスして鑑賞できます。HTPCを使ったパッシブ3Dではロスレスパススルーを含む3D再生がHDMI1.3のAV機器で行えるのも見逃せない点です。
Stack 5D はこれからもブラッシュアップしてゆく予定ですが、時代は4K。これもDIYにとって面白い素材です。HTPCレベルでは既に実験を開始しています。YouTubeの4K素材など驚異的な美しさです。来年末に向けていい報告ができるよう取り組んでみます。
この記事は2012-01-05に更新しています。初稿に加えた重要な変更箇所は赤で記載。