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スタックプロジェクターの冷却


 

Cooling of dual projector preventing “heat shift”

   
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    Summary    
   

In this article, I described the way of cooling of dual projector. Dual system needs to match their image precisely. But, there are many shifting factors. One of the major causes is heat of projector its-self. The temperature of a projector goes up with time progress under operation, and each picture shifts by the thermal expansion of case and internal devices. The way of the gap by heat expansion has individual specificity, and temperature of two projedtors is not the same, either.
So, I try to cool by DC fan. Four fans to an air intake with four another fans set to the exhaust made the fixed air flow.
The temperature of the projector under operation does not go up too much, and two becomes fixed. The result was good. Gap of the registration seen in the past was completely lost. Even if it operates for over 6 hours, “heat shift” does not recognized. The noise of fans can not be heard due to special space absorbed sound

   
    Key features    
   

1. Eigtht cooling DC fan for dual projector.
2. “Heat shit” does not occur over 6 hours

   
         


スタックプロジェクターの冷却

 

INDEX

1.はじめに 
2.ファンの配置と工作   
3.DCファンANIEX CFZ-120シリーズ  
4.ファンコントローラーReeven RFC-01BK  
 
5.プロジェクターの温度変化    
6.最後に   
7.関連記事   

1.はじめに

過去の記事でプロジェクターの発熱により、デュアルプロジェクターシステムの二つの投影像にズレが起こる事に触れました。 http://monolith-theater.net/hal/?p=14993#2D 今回はそれを回避する一つの方法です。強力に冷却するとこの問題はほぼ完全に解消できるようです。

スタックした民生用固定画素のデュアルプロジェクターシステムから投影された映像を、ピクセル単位で正確にあわせることは非常に困難です。それを実現する工夫の一つがプロジェクター設置台の設計です。自在な調整範囲を持った設置台によって200インチでも1ピクセル以内のズレに抑えることができます。http://monolith-theater.net/hal/?p=14993#dualPJ 

しかしそれでもレジはずれてゆきます。実用上最も問題なのが、この時間経過に従ってズレを起こす現象です。電源投入当初合っていた映像も時間経過とともにずれてゆきます。これは以前にも触れましたが主に筐体や内部デバイスの熱膨張によるものと思われます。二つのプロジェクターのずれが同一でないのも問題です。

そこで設置台にDCファンを複数設置して強制給排気を行いエアフローを改善してみました。結果的に今まで悩まされ続けた熱によるレジのズレ、すなわち”heat shift”から開放されました。これは私的には画期的な成果です。

 

2.ファンの配置と工作

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排気側                                         吸気側

吸気4基、排気4基の計8つのファンを付けてみました。プロジェクターの給排気口は向かって右上と右横についているので、エアフローはそれに沿って設定しています。もともとの設置台からかなり追加装置を工作したのと、材質が木であるために熱がこもりやすくなっています。大きな左から右への横の流れで熱気を逃がすような設計にしてみました。設置台に手をかざすと扇風機でいえば弱程度の風量があります。更に周囲の換気をよくするため、換気扇で外気も取り込んでいます。

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左のようなファンユニットをアルミアングルで作り、設置台にはめ込んでいます。

 

3.DC ファンANIEX CFZ-120シリーズ

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ANIEX CFZ-120L                                                                  ANIEX CFZ-120F

  CFZ-120シリーズ仕様 CFZ-120L CFZ-120S CFZ-120F CFZ-120R
  回転数 (rpm) 1000±200 1300±200 1600±200 2000±10%
  最大風量 (CFM) 42.27 56.05 69.53 93.96
  ノイズレベル (dB(A)) 14.2 20.8 26.8 34.3
  消費電力 (W) 1.2 1.44 2.16 3

http://www.ainex.jp/products/cfz-120.htm

DCファンは自作PC用のケースファンです。吸気側には究極静穏、排気側には標準仕様を使っています。設置台の中に熱が滞留するのを防ぐため、排気側の風量を上げています。吸気42.27×4=169.08, 排気69.53×4=278.12cfmとPCケースからすると考えられないほど強力です。羽にディンプルがついていますが、風量の割りに静かな良いファンです。ファンの音は能書きどおりです。十分吸音した、しかも2階の映写スペースに設置しているので、視聴位置では回っているのかどうかも判りません。

 

4.ファンコントローラー Reeven RFC-01BK

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左吸気、右排気側モニター。左端は遠隔監視用のウエッブカメラ。

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アルミアングルとアクリルで製作中のモニターパネル。

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12Vと5V、AC-DCコンバーター                     温度測定時のセンサーの様子

6チャンネル分の温度とファン回転数の同時表示が可能なファンコントローラーです。2台で12チャンネル分です。左が吸気、右に排気側の回転数を表示させています。温度センサーは計測が必要なときのみ使用します。汎用AC-DCコンバーターで、DC5Vを液晶表示と計測回路に、DC12Vをファン回路に供給しています。温度計は通常は使いませんが、設置を条件変更した時など念のためその変化を確認しています。温度や回転数の確認は左下に写っているWebカメラで遠隔から行っています。取り付けはアルミとアクリルの工作です。 http://www.scythe.co.jp/

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Logicool® HD Pro Webcam C920
HD画質のウエッブカメラの実際の撮影画像。暗闇でも鮮明に写る。
http://www.logicool.co.jp/ja-jp/webcam-communications/webcams/devices/9442

 

5.プロジェクターの温度変化

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上図は 冷却装置の有無でのプロジェクターの表面温度の相違を示している。観察開始から15分後にプロジェクターの電源を投入し、更にその5分後からブルーレイの再生を開始した。タイトル終了と同時にプロジェクターの電源をスタンバイに設定。その後観察開始から6時間後まで温度データを取得した。開始から110分23ポイントまでは5分間隔、それ以降240分36ポイントまでは10分、その後15分から1時間の間隔で40ポイントまで測定している。従って各プローべ毎の測定は全40ポイントで、一回の観察で得られた10プローべ計400データをグラフ化した事になる。室温・外気温は双方とも24.5度、15度と同一条件。2日にわけて測定している。プローべの設置箇所は凡例に示したが、プロジェクターの下面表面温度と給排気の気温を測定した。温度の値はC920を使った定時撮影による写真から読み取った。冷却装置の有無で、安定した区間の平均値の差の検定あるいは順位差検定を行うと有意差(p<0.05)が認められるが、プローべの精度が明記されていない点や校正を行っていない点を考慮して割愛した。

上のグラフは今回の強制ファン冷却装置を取り付けた場合と、本体純正の冷却装置のみの場合のプロジェクターの温度測定の結果です。それぞれデュアルスタック2Dで映画「アバター」を全編投影し、プライマリプロジェクターに装着した10箇所の温度センサーからの値をプロットしてみました。温度センサーはReeven RFC-01BKを使用しています。今回のDIYによる冷却効果がよく表現されていると思います。

左が冷却装置付の場合で、右は純正ファンのみの場合です。本体で温度が上昇するのはランプハウスから排気口にかけてです。冷却装置を使用した左図では右図に比べこの部分が3~5度低くなっています。排気温も同様です。また右図では同一筐体でも部位により5度以上の温度差があります。

前回”heat shift”の解決法として挙げたプレヒートが40分必要という経験則は当たらずとも遠からずといったところです。左図では約1時間でほぼ各部の温度がプラトーに達しています。

 

6.最後に

PCのオーバークロックで冷却装置の工作はイヤというほど経験しています。http://monolith-theater.net/hal/?page_id=80#chiller 電子機器を冷却すると様々なトラブルから逃れられることが多いように思います。特に微妙な変化を問題にするときは熱が大きな因子になっている事も少なくありません。

今回の工作は単純でしたが、その効果は絶大で、実測温度が下がると同時にスタックした2つのプロジェクターの投影像の時間経過によるズレ”heat shift”が全くなくなりました。電源投入直後から映画終了まで微動だにしないレジストレーションがこれほど簡単に実現するとは思ってもみませんでした。これは極めて快適で実用的です。

スタック投影に関してはこの他にもいくつかの工作や調整を行っています。いずれ記事にしてみようと思います。

 

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7.Dual Projector関連記事




この記事は2012-04-11に更新しています。初稿に加えた重要な変更箇所は赤で記載。

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