Sony VPL-VW1000ES体感会
|
Sony VPL-VW1000ES Experience Meeting |
|||
Summary | ||||
I participated in Sony organized experience and announcement meeting of VPL-VW1000ES for consumers in Japan. I could see 4K up-scaled videos and demos on VW1000ES. Its the only one model compatible with cinema 4K native input, 4096×2160@24Hz and other 4K photo. These sources does not exist but I glimpse its potential. It is difficult to judge predominancy with JVC’s at present, but has advantage of compatibility with HTPC. |
||||
Key features | ||||
1. Real 4K panel, cinema 4K resolution |
ソニー「4Kプロジェクター」体感会
-VPL-VW1000ES-
表記の視聴会に参加してきました。4K解像度の映像をネイティブで入出力できる性能を持っています。JVCの新モデルが擬似4Kなので本モデルの方がスペック上勝っていますが、4Kの市販のソースも存在しないので両者とも事実上full HDから4Kへのアップスケール機能を利用する事になります。長らくソニーの3管を愛用していたので、固定画素もがんばってほしいところです。
ビルの2階の小さな部屋でのプレゼンです。漆黒の環境で、終始照明を落としていました。スクリーンは120インチマリブ。AV機器は自社製品を揃えています。参加者は10名程度。写真撮影は自由でコンデジのオートモードで雰囲気だけ撮ってきました。アウトフォーカスが多く輝度や色合いも参考になりません。
動画はバットマン、サウンドオブミュージック、アバター3Dとポピュラーなタイトルです。TV録画や4k解像度のデジカメ(アルファー)の映像も視ることができました。
スペックの説明はPC画面WMPの投射です。これがデータプロジェクターのように綺麗です。4Kの高精細画質の説明で、視聴距離が短くできるとの事です。
2000lmの高輝度、新開発SXRDパネルによる高コントラスト、動画はDCI、写真はAdobe RGBまで拡大した広色域、新開発4Kレンズなどの解説。
RGBパネルアラインメント、アップスケーリング技術の解説です。「数十年にわたって蓄積してきた数千種類の画像データベースから最適なパターンを照合・分析」するそうです。
Adobe色域写真のデモです。4Kアップスケール、リアリティークリエーションのオンとオフの場合のデモです。
高精細: 過去のJVCのデモの記事1)でも書きましたが、120インチで4K表示は非常に贅沢に感じます。画素は見えません。とてもクリアな映像です。クリアすぎてPCのゲーム画面を見ているような映像です。しかし動画でのアップスケールではゆっくりとしたパンやズームでスクリーン周辺の映像がややゆれるような違和感を感じます。24pを見慣れているので、アップスケーラーを効かせた高い周波数の映像は高精細ビデオのようにも見えます。明るさ: JVCと同等かやや暗く感じます。高輝度fullHDも増えてきたのでもはや普通の明るさに思えます。色再現:鮮度の高い明るい赤、透明感のある青です。
3D: かなり暗く感じますが、解像感の高い3Dです。フリッカーは少ないほうですが、これはアクティブの宿命です。デュアルプロジェクターのFull HDパッシブ3D2)を見慣れているとアクティブは見る気がしなくなります。4Kでも十分に立体感はあるので3D機能は必要ないようにも思います。120インチ程度のアクティブ3DならDLP-Link3)でみるAcer H53604)で十分とも感じます。
コストパフォーマンス: JVCとアプローチの方法が違いますが、outcomeとしての出力映像は単独・短時間で観る限り明白な優劣を付けがたいと感じます。価格がJVCと同等かやや上回るくらいならこちらを選ぶかもしれません。
4K入力が可能なリアル4Kパネル: やはりこれが最大の魅力です。既にPCでは4K出力が可能なので、HTPCでスケーラーをコントロールすることができます。動画再生ソフトウエアも24-30Hz, 4K機能をアップデートしてくるはずです。今の時期はDVDからblu-rayに移行した時期に似ています。480を720にアップスケールして出力していた時期で、HTPCは市販のプレーヤーやプロジェクターのコンバート機能を上回っていました 5)。写真を含めPCを利用した映像出力では楽しめる製品ではないかと思います。数年もすればソフトの規格も決まり、リアル4Kが当たり前の時代になりそうです。蛇足ですが偏光特性がないのでパッシブ3Dでのセットアップの自由度6)が高くなります。
♞雑感:4kへの進化に思うこと———————————————————————————————————–
高解像度に進化するメリットは緻密な映像を実現できることにあります。画素が増えることによってリアリティのある映像が、また色再現性、明るさやコントラストが増すことによって美しさ、質感や奥行きまで表現できます。ただ従来の小さなスクリーンサイズで評価・デモするのには疑問も感じます。4KならfullHD環境より大きい少なくとも150インチから200インチ超のスクリーンで視てみたいものです。これはメーカーの言う4Kなら視聴距離を短くできるとは逆の考え方です。4Kならスクリーンを大きくできます。また視聴距離が短くなると音響の雄大さも望めなくなります。200インチクラスの大画面にするとプロジェクター単体でもRGBアラインメント、レンズの収差や温度変化によるレジのズレなど問題も出てくるので2)、それがどの程度か興味もあります。
TVもそうですが、表示面積にあわせた性能でバランスがとれ、またユーザーもそれなりの合理性で製品を選択するとも思います。fullHDを60インチで観ることは少ないように思います。720pなら50-80インチで緻密な映像が投射できます。100インチ程度ならfullHDで十分と思います。4K製品なら更に大きい200超のスクリーンでfullHD,100インチのクォリティーと同等の印象を維持できるか見てみたいものです。勿論巨大なスクリーンを装備した再生環境を構築できる可能性や必然性は別問題です。
またスクリーンの進化も期待したいところです。2Dもそうですが、3Dではスクリーンの種類によって明るさが大きく違います。これはプロジェクターを変える以上の効果があります。従来の標準的なマットからゲインの高い視野角の広いホットスポットなどの弊害の少ない高機能スクリーンが出てきてほしいものです。
ソニーは業務機で3Dに関する豊富な経験を持っています。4Kパネルでレンズを脱着式にするとフレームパッキングでフルHD RealD パッシブにもなります。
Sony SRX-320/ Dual lens 3D mode. 3D Projection Lens Unit, LKRLA002.
「Stack 5D dual projection system 2.スタックシステムの現状とその特徴 2-1. 業務用」より
http://monolith-theater.net/hal/?p=14993#tokutyou
———————————————————————————————————————————————————-
質問も許されたのでその要旨を記録しておきます。
●すばらしい製品に感動した→どうも
●Quad Full HDとCinema 4Kとの違いはどのように考えるか→シネマ用のパネルの派生品。
●2Dと3Dの周波数は→120Hz,単眼60Hz、本体に入出力情報表示機能はない模様。
●アップスケーラーにやや違和感を感じる→慣れと調整次第
●デモの写真の解像度は→不明
●PCのVGAとの4K互換性は→不明
●偏光特性は→DLPと同様に偏光はかかっていない。3Dメガネは90度直線偏光。
関連記事(引用記事)
1) JVC DLA-X70R, X30プレビュー http://monolith-theater.net/hal/?p=14156
2) Stack 5D dual projection system http://monolith-theater.net/hal/?p=14993
3) Optoma 3D-XLの3D-HTPC互換性 http://monolith-theater.net/hal/?p=12751
4) Acer H5360によるblu-ray 3D, 200インチ立体映像 http://monolith-theater.net/hal/?p=10185
5) 720P時代のHTPC http://monolith-theater.net/hal/?page_id=80
6) デュアルプロジェクター用偏光板 http://monolith-theater.net/hal/?p=13986
この記事は2012-02-23に更新しています。初稿に加えた重要な変更箇所は赤で記載。