オークリーの3D偏光メガネ
Oakly RealD passive 3D glasses |
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Project of Passive 3D with dual projector in home cinema part1: Oakly RealD passive 3D glasses |
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Summary | ||||
I buid DIY passive 3D system with dual HD projector, JVC DLA-HD750. The other major components in this system consist of passive 3D source component, projector polarizer and silver screen. In this article, special passive 3D glasses for RealD cinema was described. |
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Key features | ||||
1. Oakly limited edition TRANSFORMERS 3G GASCAN for RealD cinema. |
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Project of Passive 3D with dual projector in home cinema | ||||
Part1: Oakly RealD passive 3D glasses (this post) Part2: 150 inches silver screen for passive 3D (http://monolith-theater.net/hal/?p=13847) Part3: Polarized filter of dual projector for passive 3D (http://monolith-theater.net/hal/?p=13986) Part4: Dual head passive 3D (http://monolith-theater.net/hal/?p=14416) Part5: Demultiplexing passive 3D (http://monolith-theater.net/hal/?p=14833) Part6: Stack 5D system, final thoughts (http://monolith-theater.net/hal/?p=14993) |
オークリーのRealD対応3D偏光メガネ
INDEX 1.はじめに
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1.はじめに
現在国内で入手可能な民生用3Dプロジェクターは全てアクティブ方式で、パッシブ方式はRunco, DPI, SIM2, Wolfなどの海外の高級機かChristie, NEC, Sony等の業務機のみです。
「3Dプロジェクター情報」 http://monolith-theater.net/hal/?page_id=9402
そこで今回 ” Project of Passive 3D with dual projector in home cinema ” と題し、家庭でのパッシブ方式を模索してみました。DIYで劇場のRealDシステムをホームシアターで実現してみようという試みです。全6回にわたり掲載してゆく予定です。
Part1: オークリーのRealD対応3D偏光メガネ (本稿)
Part2: DIY偏光3Dシルバースクリーン (http://monolith-theater.net/hal/?p=13847)
Part3: デュアルプロジェクター用偏光板(http://monolith-theater.net/hal/?p=13986)
Part4: QuadroによるopenGL passive 3D (http://monolith-theater.net/hal/?p=14416)
Part5: Optoma 3D-XLを利用したパッシブ3D (http://monolith-theater.net/hal/?p=14833)
Part6: Stack 5D system, final thoughts (http://monolith-theater.net/hal/?p=14993)
上の図は今回使用したStack 5Dシステムです。家庭でも2台のプロジェクターでqualityの高い2D,3Dを実現できます。2Dは200インチ、3Dは150インチでブルーレイ3Dタイトルを鑑賞しています。2Dではダイナミックな明るい映像が、パッシブ3Dではフリッカーフリーの疲れの少ない解像感の高い安定した3D映像が得られます。
図左のStack 2Dの概要は「スタック2Dプロジェクターの調整」 http://monolith-theater.net/hal/?p=13190 に掲載しています。今回は図右のStack Passive 3Dシステムで使用する3D偏光メガネについて記載しています。
画面の明るさは3D動画の性能の一つとして非常に重要です。Stack Passive 3Dではプロジェクターの性能、偏光フィルターの透過度、シルバースクリーンのゲイン、偏光メガネの透過度などが影響します。現在は900lmのプロジェクターを2台とゲインの高いシルバースクリーンを使っています。更に今回紹介するオークリーの光透過性の高い3Dメガネを使用すると、非常に明るい3D映像を堪能できます。以下では映画館やイベントなどで使われる簡易偏光メガネ、ミツビシ偏光3DディスプレイRDT233WX-3D付属の偏光メガネとの比較も行っています。
2.Limited Edition TRANSFORMERS 3D GASCAN
オークリーは著名なスポーツ選手が愛用していることでも知られています。メジャーリーガーのイチロー選手をはじめとして、マラソン金メダリストの高橋尚子、プロゴルファーの宮里 藍、また映画「マトリックス」のキアヌ・リーブスもオークリーです。やや値が張りますが、カスタマイズも可能でHDO-3Dという技術を用いています。3D用としてはGASCANシリーズを展開しています。今回使用したのは映画「トランスフォーマー」を記念したリミテッドエディションです。過去には「トロン」版もあります。http://www.oakley.com/
サイドまで目を覆うようなデザインです。パッシブ用なのでアクティブでの液晶シャッター機構はなく、円偏光フィルターのみで軽量です。フレームに外側に赤と青のアクセント、内側にトランスフォーマーのロゴが入っています。人によって掛け心地は違うと思いますが、ごく普通のサングラスのような感じです。
手持ちの円偏光3Dメガネを比較した写真です。透明度はOaklyが最も高く、解像感の高い3D映像が得られます。掛け心地はMitsubishiが上下方向のズレが少なく良好です。MeCanもよく出来ています。
美舘イメージング http://www.mecan.co.jp/
「偏光3DディスプレイRDT233WX-3Dによるblu-ray3D」 http://monolith-theater.net/hal/?p=12283
偏光板の仕様が各メガネで微妙に異なります。偏光の水平軸に違いがありますが、右回転と左回転の偏光板仕様であるのはいずれも同様で、視聴上さして問題ありません。これはプロジェクター側に装備する偏光板の仕様とも関係するのでPart3で詳述する予定です。
アクティブシャッター用のメガネと比較した写真です。アクティブ用は電池や液晶開閉機構があるので、厚くそして重くなっています。
3.アクティブとパッシブ3D再生品質
個人的にアクティブ方式はちらつきが気になって長時間視聴ができません。特に画面の切り替わりや動きが早い場面で顕著で眼球が頻繁に輻輳するような感覚があります。手持ちのNVIDIA 3D VisionやOptoma 3D-XLによるDLP3Dのみならず、JVC-X7や家電店頭での大型3Dテレビのデモ視聴でも同様です。これは個人的な特性かもしれません。
その点パッシブではそのちらつきが全くありません。Mitsubishi RDT233WX-3Dでも感じませんがこれは解像度が半分です。今回はじめて大画面フルHDでのパッシブ3Dを自宅で鑑賞してみましたが、解像感の高いちらつきのない3Dは、動きの速い対象でも画面の隅々まで追うことができます。
【アクティブ3Dに関する記事の一部】
●「JVC DLA-X7でのRadeon HD6870によるAMD HD3D、6. 3Dプロジェクター品質比較」 http://monolith-theater.net/hal/?p=11099#3Dquality
●「JVC DLA-X7/X3 プレビュー」 http://monolith-theater.net/hal/?p=10421
●「GTX460とPowerDVD 10 Ultra MarkII 3Dでのフルスペック3D/2D再生」http://monolith-theater.net/hal/?p=9822
●「Acer H5360によるblu-ray 3D, 200インチ立体映像」http://monolith-theater.net/hal/?p=10185
●「Optoma 3D-XLのHTPC互換性」 http://monolith-theater.net/hal/?p=12751
●「ソニー3Dブラビア LX900プレビュー」 http://monolith-theater.net/hal/?p=6031
【パッシブ3Dに関する記事】
●「偏光3DディスプレイRDT233WX-3Dによるblu-ray3D」 http://monolith-theater.net/hal/?p=12283
4.Oakly,Mitsubishi, MeCan:偏光3Dメガネの印象
いずれも円偏光メガネです。すべてのメガネで立体視が可能です。その中で最も明るいのはOaklyです。Mitsubishi, MeCanと続きますがそれほど大きな差はありません。Oaklyの特徴はクリアではっきりしている事です。人の肌や微妙な質感など2DのフルHDで感じる解像感の高い映像です。やはりレンズの出来が違うということでしょうか。
自作のDual Head passive 3D system(Part4で詳述予定)で出力した3D動画を150インチシルバースクリーン(http://monolith-theater.net/hal/?p=13847)に投射している様子です。Aは裸眼視、Bはスクリーンに焦点を合わせOaklyの右目用レンズを通した映像を撮影しています。このクオリティーで3Dが視聴できます。Cは映像の半分をメガネを縦に通して撮影。やや色調が変わります。Dは遠めにメガネを持って撮影しています。良く見ると右と左のレンズの中の人物の上半身は、それぞれ右と左のプロジェクターからの映像のみを透過していることがわかります。実際の3D視聴では頭を傾けてもゴースト(クロストーク)は出ません。高品質な3Dです。
5.最後に
今回デュアルプロジェクターを使用したパッシブ3Dシステムで使用しているOaklyの3Dメガネに焦点をあてて記載してみました。アクティブも含め自宅で経験する大画面3Dとしては最も明るく解像感の高いちらつきのない映像です。またこのメガネはRealDを採用している劇場でも使用できます。
オークリーの他にもデザイン性の高いRealD対応3Dメガネが発売されています。パッシブ3Dはメガネでも楽しめるかもしれません。
GUCCI http://www.gucci.com/us/styles/271811J16911080#
POLAROID http://www.polaroidsunglasses.co.uk/sunglasses/3d_glasses/index.htm
民生用のパッシブ3Dのシステムは日本では市販されておらず、基本的にDIYでありそこには多くのハードルがあります。シルバースクリーンは業務用でありコンシューマーは容易に手が出せません。2つのプロジェクターの調整も簡単ではなく、また難解な偏光特性をある程度理解する必要もあります。プロジェクター用の良質な偏光フィルターや左右の映像を分けて2台のプロジェクターに出力するソースシステムも重要です。次回からそれらの詳細を掲載してゆきます。
Project of Passive 3D with dual projector in home cinema
Part1: Oakly RealD passive 3D glasses (this post)
Part2: 150 inches silver screen for passive 3D (http://monolith-theater.net/hal/?p=13847)
Part3: Polarized filter of dual projector for passive 3D (http://monolith-theater.net/hal/?p=13986)
Part4: Dual head passive 3D (http://monolith-theater.net/hal/?p=14416)
Part5: Demultiplexing passive 3D (http://monolith-theater.net/hal/?p=14833)
Part6: Stack 5D system, final thoughts (http://monolith-theater.net/hal/?p=14993)
今回使用した円偏光フィルターを装備したデュアルプロジェクター
6.Appendix
The 1951 Festival of Britain on the South Bank in London via telegraph
http://www.telegraph.co.uk/news/picturegalleries/uknews/8448698/The-1951-Festival-of-Britain-on-the-South-Bank-in-London-in-pictures.html?image=20
3Dの歴史は3Dメガネの歴史であり、その起源は古く1950年台(アナグリフは1900年)にまでさかのぼります。今と何ら変わりない、もしかして進歩のないデバイスなのかもしれません。
3D映画の盛衰
1900年 アナグリフ(パリ博)
1903年 パララックスバリア方式
1912年 レンチキュラ方式
1922年 「The Power of Love」アナグリフ(米国公開・立体映画第一号)
1937年 偏光フィルタ方式
1945年 「Machine22-12」レンチキュラ
1946年 「Robinson Cruisoe」レンチキュラ
1952年 「Bwana Devil」以降、第一次立体映画ブーム 1954年まで {TVの普及に対抗}
1969年 「The Stewardesses」 立体ポルノシネマ。当時の日本円で90億円の興行収入。
1980年- 第二次立体映画ブーム 「13日の金曜日」、「ジョーズ3D」など {CATVの普及に対抗}
2003年~現在。 第三次立体映画ブーム {HDTV、デジタル機器の普及に対抗}
7.3D関連記事 (Category 3-D)
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この記事は2012-05-23に更新しています。初稿に加えた重要な変更箇所は赤で記載。