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Master Clock Generator Shoot-Out
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HAL

hardware review of home theater and self-made devices

Master Clock Generator Shoot-Out

Master Clock Generator Shoot-out
Antelope Master Clock Part3
shootout001

Antelope Master Clock Part1Antelope Isochrone Trinity
Antelope Master Clock Part2
/ Antelope Isochrone 10M


iclock_001 antelope003

ルビジウムと水晶発振のクロックジェネレーターをまとめて視聴する機会があったので感想を書いてみます。Antelope Master Clock シリーズPart1, Part2に続く最終編です。

 

INDEX

1. はじめに
2. 視聴対象

3. 視聴環境

3-1. 使用したスレーブ機器
3-2. ブロックダイアグラム

3-2-1. PC audio (dual wire AES stereo/ 192kHz FLAC)
3-2-2. PC audio (single wire AES/ 96kHz 5.1ch FLAC)

3-2-3. Blu-ray HD audio (DTS-HD MA, Dolby TrueHD/11ch)

4. Shoot-Out Setting
5. 音質比較

6. 最後に

1. はじめに

デジタル音響機器では内蔵するクロックが重要です。例えばCDなどでは音源がサンプリングされた周波数どおりの正確なタイミングで読み出しを行なうと良好な再生品質が得られます。AD/DAコンバーターや各種イコライザー等も同様です。業務機ではこれをアピールポイントとした製品が大半です。

オーディオ品質とクロックジッター
デジタルオーディオが抱える潜在的課題に迫る
 (EDN japanより、2010.08.13追記)

個々の機器のクロックも重要ですが、複数のデジタル音響機器をシステムとして動作させる際には更に重要で、システムのスレーブ機器が唯一つのマスタークロックを参照している必要があります。今回はそのマスタークロックそのものを発生する単体機器を複数同時に比較することができたので、その印象を書いてみます。

2. 視聴対象

10MHz発振機

Antelope Isochrone 10M
放送局搬送波用10MHz発振機(Rubidium1)

RUBIDIUM FREQUENCY STANDARD LPRORB-02 (Rubidium2)

水晶発振機 (192, 96, 88.2, 48, 44.1kHz)

Antelope Isochrone Trinity
MUTEC iCLOCK

3. 視聴環境

シアターシステムに組み込むので主にマルチチャンネルシステムのマスタークロックとして使っています。シアターシステムを構成する機器の一部を使うとPCを利用したデジタルオーディオシステムを組むこともできます。ここではマスタークロックの評価をするためシアターシステムの構成を一部組み換え、2ch, 5.1chのPCオーディオシステムを構成し、クロックの効果を比較してみました。

3-1. 使用した主なスレーブ機器

dbx DriveRack4800
Lynx Studio AURORA16
tc electronic Digital Konnekt x32
UDT2010 (Lynx Studio AES16e-SRC)
(各機器の記事とリンクしています)

3-2. ブロックダイアグラム

以下の3つのシステムでクロックの効果を比較してみました。通常動作させているのは3番目のblu-ray HD audioを再生するシアターシステムです。1.2は今回の視聴のためにスケールダウンしたPCオーディオの為の構成です。


antelopedualwireshootoutantelopemultichannelantelopemultichanneltheater
3-2-1.PC audio(dual wire)        3-2-2. PC audio(multi channel)      3-2-3. Blu-ray HD audio


3-2-1. PC audio(dual wire AES stereo/ 192kHz FLAC)

antelopedualwireshootout

PCオーディオで2ch ステレオを構成した場合です。Lynx AES16e-SRCの192kHz dual wire AES と 96kHz DriveRack4800, Lynx AURORA16をスレーブにしています。DriveRackはデュアルのディスクリートデジタルチャンネルデバイダーとして機能させています。音源は2L Nordic Sound Test Bench HD audio filesの192kHz Stereo FLAC ファイルです。システムチェックの時に使っているレファレンスの一つです。再生ソフトウエアはfoobar2000 v1.0.2.0(WASAPI)

関連記事:Lynx AES 16e-SRC、6. PCオーディオ(2ch) の記事へのリンク
2L Nordic Sound Test Bench HD audio files (Nordic Soundへのリンク

sound01_192flac


3-2-2. PC audio (single wire AES / 96kHz 5.1ch FLAC)

antelopemultichannel

PCオーディオで5.1chを構成した場合で、Lynx AES16e-SRCの 96kHz single wire と DriveRack4800, Lynx AURORA16をスレーブにしています。サイドとバックのサラウンドのレベルはLynx mixerで調整しています。PCオーディオの場合のマスターボリュームはHiQnet System Architectnのカスタムプログラムを使っています。音源は2Lの96kHz 5.1ch FLACファイルです。再生ソフトウエアはfoobar2000 v1.0.2.0(WASAPI).

PCオーディオではJBL ScreenArrayからのサウンドを聞くと同時に、AESラインをtc electronic Digital Konnekt x32にルーティングし、ヘッドホンSONY MDR-CD900STでメインチャンネルと2chミックスダウンのモニターも行っています。

関連記事:Lynx AES 16e-SRC、8. PCオーディオ(マルチチャンネル) の記事へのリンク
関連記事: tc electronic Digital Konnekt x32

sound02_51flac2

 

3-2-3. Blu-ray HD audio (DTS-HD MA, Dolby TrueHD/11ch)
antelopemultichanneltheater

これが通常の音響システムです。 DriveRackとLynx AURORA16のAD/DA部双方を96kHzスレーブにしています。JBL 3632-Tのspeaker management systemを同期していることになります。音源はBlu-rayディスク。「superHiViCAST」,「イノセンス」を中心に視聴してみました。 プレーヤーはPioneer BDP-LX91, デコーダーはIntegra DHC80.1 (11ch)を使っています。自作のUDT2010ではHDMI HD audio bitstreamとソフトウエアデコードによるAES,8ch再生を行っています。

 

4. Shoot-out setting

 

shootout_setting

ルビジウムの10MHz出力をそれぞれMUTECとTrinityに入力し、そこから機器構成に適切なワードクロックをスレーブ機器に出しています。

関連記事:

Rubidium1(放送局搬送波用10MHz発振機)
Rubidium2(Rubidium Frequency Standard LPRORB-02)
MUTEC iCLOCK(Rubidium Redundant Reference Audio Maser Clock)

 

5. 音質比較

システム毎のクロックの組み合わせとその印象を下の表に示しています。組み合わせは18とおりですが、クロックケーブルの抜き差しに時間がかかるので瞬時比較ではありません。また全ての比較が終わるまで数日はかかっているのでおよその印象でしかありません。

 

3-2-1  dual wire AES stereo   Antelope Trinity MUTEC iCLOCK
  Antelope 10M   ★★★★★ ★★★★☆
  Rubidium1   ★★★★☆ ★★★★☆
  Rubidium2   ★★★★ ★★★★
  N/A   ★★★ ★★★
         
3-2-2  single wire AES 5.1ch   Antelope Trinity MUTEC iCLOCK
  Antelope 10M   ★★★★☆ ★★★★☆
  Rubidium1   ★★★★ ★★★★☆
  Rubidium2   ★★★★ ★★★★
  N/A   ★★★ ★★★
         
3-2-3  Blu-ray HD audio   Antelope Trinity MUTEC iCLOCK
  Antelope 10M   ★★★★★ ★★★★★
  Rubidium1   ★★★★☆ ★★★★★
  Rubidium2   ★★★★ ★★★★
  N/A   ★★★ ★★★



音質差:表では★5つを最高評価としています。★3つが水晶発振のみでの平均的評価です。クリスタルのみをマスターとした場合とルビジウムでクリスタルをスレーブにした場合ではその差は歴然としています。

以下は違いをかなり強調して書いています。こういっては身も蓋もありませんが、ルビジウム10MHz発振機を使うとどのケースでも大きな違いはありません。聴き込んでいる音源を注意深く聴いてようやく判別出来る程度です。明瞭に違いを表現するには更に高い品質のデジタル機材が必要なのかもしれません。あるいはシステム自体が既に一定の品質を持っていて違いが僅かに感じるのかもしれません。

ルビジウムの機種による差はごく小さく、切り替えた事が分からないケースが多い印象です。特にMUTECはルビジウム入力を2つ持っていて、瞬時に切り替える事ができるので比較視聴としては理想的ですが、それでもルビジウムの差は極僅かです。

クリスタルの違いの方がよくわかります。Trinityは華やかでしなやかに感じます。分解能が高く軽快です。対してiCLOCKはナチュラルで落ちついていて、渋さも感じます。Trinityの高域は極めて美しく、低域は弾んでいます。iCLOCKは中低域に芯があり、迫力を感じます。適切な喩えとは言えませんが、往年の銘機でいえば、TinityはKSA時代のKrell, MUTECはMcintoshに似ています。

同じ傾向の機材を組み合わせるとその個性が際立ちます。Antelope同士のパフォーマンスは素晴らしく、音の粒子に宝石のような輝きを感じます。Antelopeは音楽を楽しめます。映画のような肉声や中低域の豊富な音響ではAntelopeの繊細さよりもダイナミックなMUTECの方がより大きい感動が得られるかもしれません。

6. 最後に

クロックの調整はまず音になるかどうかが重要です。クロック調整が上手くいかないとパリバリと大音量のノイズを放ったり、定期的にチリチリという異音がすることもしばしばです。各機器のサンプルレートコンバーターを入れるかどうかも音質を左右します。

ここをクリアしておけば、あとはどこまで高品質にできるか繊細なチューニングになります。クロックケーブルでも若干違います。今回は常時5、6本使っているので厳密な違いは検討していませんが、アナログラインケーブルのような大きな変化はありません。電源やグランドの方が重要です。

ひとつ改めて気づいた点があります。スピーカーの問題です。使用したJBL Screen Arrayは本来劇場用です。SmaartV6で音響測定しDriveRackでフラットに調整していますが、やはり若干の個性があります。単一チャンネルの音そのものの微妙な違いはヘッドホンの方がより感じ取れます。しかし、今回のようなマルチチャンネルの比較視聴で、音場や音像の空間定位などをも評価するならやはりスタジオ用途の中型から大型の標準モニターが必要かもしれません。Genelec等に代表される音の評価用のスピーカーは分析的な用途には最適です。

今回で3回に渡ったマスタークロックの企画も終了です。さすがに非常に疲れました。機材はオーラを放ち、注意深く慎重にそして集中して聴かないといけない雰囲気にさせられます。

マスタークロックの機種による違いは厳然としてあるようです。しかし非常に高次元での微妙な差です。用途や好みに合わせて、可能ならば十分な試聴後に選択したほうが無難です。

今回の視聴で最も印象に残ったのは、Antelope 10MとTrinityを使用して、192kHz stereo FLACをdual wire AES、dual digital channel dividerで再生した3-2-1のPCオーディオのケースです。静寂の中に凛として佇む音の品格に圧倒され、オーディオという事を忘れ、また時が経つのも忘れて聴き入ってしまいました。

antelope0061

今回の視聴に使用した自作19インチラッ(2号機)にマウントしたクロック関連機材(上から)

UDT2010 (Lynx Studio AES16e-SRC)
RUBIDIUM FREQUENCY STANDARD LPRORB-02 (Rubidium2)
放送局搬送波用10MHz発振機(Rubidium1)

MUTEC iCLOCK

Antelope Isochrone Trinity

Antelope Isochrone 10M

 

tcelectronicx32_016

今回の視聴に使用したスレーブ機器。
自作19インチラック(1号機)にマウントした プロセッサー部(上から)

Lynx Studio AURORA16
自作200V電源ラインモニターLED

tc electronic Digital Konnekt x32

dbx DriveRack 4800

 

 


この記事は2010-09-30に更新しています。初稿に加えた重要な変更箇所は赤で記載。

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