Antelope Isochrone TRINITY
ANTELOPE ISOCHRONE TRINITY
–Universal High Definition Master Clock–
Antelope Master Clock part1
Antelope Master Clock part2/ Antelope Isochrone 10M
Antelope Master Clock part3/ Master Clock Gneretor Shoot-out
INDEX
1. はじめに
2. 外観および仕様
3. 視聴環境
4. 使用感と音質
5. 最後に
1. はじめに
マスタークロックは映像音響機器のデジタル処理のタイミングを同期する単体コンポーネントです。業務機では歴史のあるApogee, Rosendahlなどが定番ですが、他にも小型のものを含めると多く販売されています。また民生品にも応用され、Esotericなどでもラインアップがあります。
Antelopeの名を私が知ったのは数年前の “PROSOUND” という雑誌の特集記事でした。OCXという機種で、その後映像の同期機能も持ったTrinityが、また更にルビジウム10MHz出力を持つ10Mも国内発売されています。
マスタークロックの機能で最も重要なものは、複数のデジタル機器を同期させ、デジタル処理の品質をあげるという点です。デジタルシステムでは全機器がただ一つのマスタークロックを参照している必要があります。当シアターでは16chAD/DAコンバータ、Speaker management systemを2台, フォーマットコンバーター、AESカードなどを使っているので必需品です。マスタークロックジェネレーターなしでも、良質なクロックを供給できる機器をマスターにして、ワードクロックやAES11などで他の機器をスレーブにすることもできますが、再生品質は専用機器には及びません。
今回 Isochrone Trinityと10Mを当シアターシステムに組み込んでみました。既存の10MHz oscillator やMUTEC iClockとの使用感や音質を比較してみました。Antelopeの製品仕様やスペックは同社のサイトに詳しく掲載されているので省略します。part1ではTrinity, part2では10Mの感想を書いてみます。Part3では既存のクロックジェネレーターとの比較視聴を “Master Clock Gneretor Shoot-out” として掲載しています。
2. 外観および仕様
筐体の剛性は高く、全面はアルミのフロントパネルです。中央のディスプレイの両サイドに設定ボタンやダイアルなど多数配置されていますが、選択して変更するという直感的にもわかりやすい構成です。
リアパネルには入出力の端子群がずらり配置されています。これも機能別にわかりやすく配置されています。
フロントパネル。左にPOWER, SOURCE SELECTボタン。中央のディスプレイで周波数を設定するSAMNPLE RATEダイアルが配置されています。右は映像周波数同期ダイアルです。
リアパネル。電源はAC,DC両対応です。入力はAES/EBU, Word clock, S/PDIF, VIDEOコンポジット端子が設けられています。ATOMICが10MHz入力です。出力は3系統。同時に異なる周波数を3種類出せます。AUDIO Aの出力端子群はsuperclock(256x)端子を備え、AES/EBU2系統、BNC6系統です。AUDIO B,C はBNC4系統です。右はビデオ端子群です。
フロントパネルにはAUDIO A,B,Cの各出力端子群の周波数設定が表示されます。一度設定すると頻繁に変えるものではありませんが見やすい表示です。Trinityは青、OCXは赤の表示です。DIMMERもついているので明るさが調節できますが、最大の明るさにするとまぶしいくらいです。
下にクロックソースを表示するLEDがあり、10MHzのスレーブになっている時はATOMIC, マスターではOVENが点灯します。写真ではAntelope 10Mのスレーブ動作している様子です。Trinityでフロントパネルを確認するのは主にこのLEDです。
3. 視聴環境
いくつかの環境で動作させてみました。下はそのブロックダイアグラムです。詳細はマスタークロックジェネレーターの比較視聴の稿に記載しています。
Antelope Master Clock part3 (Master Clock Generator Shoot-out)
1.PC audio(dual wire) 2. PC audio(multi channel) 3. Blu-ray HD audio
4. 使用感と音質
詳細はマスタークロックジェネレーターの比較試聴の稿に記載しています。
Antelope Master Clock part3 (Master Clock Generator Shoot-out)
同じクリスタルオシレーターのMUTEC iCLOCKと比較しての感想です。オーディオ機器としては派手なデザインです。2Uなので、操作感に余裕があります。大きなディスプレイは視認性がよく、またツマミ類の操作感も良好です。MUTECでリダンダント機能に慣れているので、10MHz入力がひとつしかないのが残念です。
華麗な音がします。高域が特に綺麗です。音場感や空気感もよく表現します。10MHz入力に対する反応も良好です。
5. 最後に
ビデオシンクの機能については割愛しましたが、音質は十分満足のゆくものです。メカニカルなラックの中でも存在感を主張するデザインです。やはり10Mとの組み合わせで使いたい製品です。