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hardware review of home theater and self-made devices

Auzen X-Fi HomeTheater HD

 このページの更新履歴
9/23:PowerDVD9のアップデート情報(build2115)→3.PowerDVD9 Ultraのアップデートに記載
  10/9:Auzentech社のデノンのアンプへの対応(ファームウエアの書き換え)→5.Denon issueに記載
10/26: Auzentech 社が公式Forumを開設→
http://community.auzentech.com/forum
12/3:ビットストリーム可能なVGA
を掲載→Radeon HD5870のロスレス音声HDMIビットストリーム出力
12/7:Denon でもビットストリーム可能な方法EDID override→5.Denon issueに記載
2010.6/1: Geforce GTX480とAuzentech X-Fi HomeTheater HDを使ったblu-ray lossless pass-through
→3D-HTPCでのGeforce GTX480との組み合わせでのビットストリーム出力

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Auzentechのロスレス音声HDMIビットストリーム出力が可能なサウンドカードAuzen X-Fi HomeTheater HD (Auzentech Home Theater 7.1 HDMI)を購入しました。早速セットアップしてブルーレイ再生専用機パイオニアBDP-LX91と比較してみました。画質はいま一歩ですが、音質は高級再生専用機と比較しても遜色の無い堂々としたものです。

1. Auzen X-Fi HomeTheater HDのパッケージ
2. Auzen X-Fi HomeTheater HDのインストール
  2-1. ハードウエアのインストール
  2-2. ドライバのインストール
3. Power DVD9 Ultraのアップデート
4. 関連ソフトウエアの設定
  4-1. ビデオドライバ
  4-2. システム設定の確認
  4-3. Auzentechドライバの確認
  4-4. PowerDVD9 Ultraの設定
  4-5. システムのパフォーマンス
5. Denon issue
6. Auzen X-Fi HomeTheater HDとパイオニアBDP-LX91の画質・音質比較
  6-1. 画質比較
  6-2. 音質比較
7.  最後に
8. Appendix:シアターシステム概略図
9. 特報! - Radeon HD5870単体でTrueHDとDTS-HD MAのビットストリーム出力が可能に(9/23追記)。

1. Auzen X-Fi HomeTheater HDのパッケージ

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パッケージにはカード本体の他にドライバディスク、DVI-HDMI変換コード、HDMI-HDMIコード、アナログマルチ出力ケーブル、光ケーブルが同梱されています。ASUS Xonar HDAV1.3 Deluxeと同様にビデオカードのDVI出力から本カードに動画をHDMI入力し、ビットストリーム音声を上乗せしてAVアンプに送る形式です。カード上がHDMI入力、下がHDMI出力端子です。

2. Auzen X-Fi HomeTheater HDのインストール

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                             Bios of MB: BIOS610 (ASUS P6TDeluxeV2)
                             Version of VGA Driver: Catalyst9.9 (Sapphire Radeon HD4850) 
                             Blu-ray drive: Pioneer BDR-203,  

2-1. ハードウエアのインストール

今回はRaid構成のSSDを使用したCorei7 940, X58,Vista64bit マシンに組み込んでみました。HTPCとして常用しているものです。AuzenはPCI Expressカードで、P6T Deluxe V2では対応スロットがいくつかありますが、他のPCI Expressカードとコンフリクトしてコントローラーが処理できない場合もあるので注意が必要です。最悪OSのクリーンインストールからやり直さなければなりません。今回はPCI Express2.0×16のスロットに挿しています。

2-2. ドライバのインストール

ハードウエアをインストールした後にドライバのインストールを行います(Driver Name: HomeTheater HD Driver: RC4 )。これはとても簡単で、起動した後の自動認識ウイザードをキャンセルし付属CDでインストールします。イントール中にCreativeのソフトウエアをインストールするかどうか聞いてくるので、これをインストールします。添付ガイドには珍しく日本語が付いています。

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3. Power DVD9 Ultraのアップデート

ブルーレイ再生は別途購入のPowerDVD9 Ultraを使用します。 Auzen X-Fi HomeTheater HDの発売に合わせ、つい最近アップデートパッチが配布されています。PowerDVDを起動すると自動的にパッチの存在を知らせてくれるので、指示にしたがってダウンロード・インストールを行います。日本および米国のサイトでも同じ2029パッチが掲載されているので、そこからダウンロードして解凍後上書きインストールしても同様の結果が得られます。これも非常に簡単です。

追記(9/23):最新パッチが公開されています。PowerDVD 9 Ultra build 2115(US), PowerDVD 9 Ultra 用パッチ:PowerDVD 9 Ultra を build 2115に(日本)。

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4. 関連ソフトウエアの設定

 インストール後は設定です。主要なものを掲載しています。 重要なのはサウンドのプロパティーとPowerDVDの音声設定です。以下の写真はプロジェクターで投影したスクリーン映像を撮影したものです。

4-1. ビデオドライバ

映像の質感を煮詰めるにはビデオドライバを調整するのが最も効果があります。目視に加えブルーフィルタ付属のベンチマークソフトなどを使うと正確に調整できますが、ここではデフォルト設定を基準に必要最低限の調整を行っています。

Radeonを使っているので、ここではCatalyst9.9で調整しています(写真参照)。デフォルトでアンダースキャンになっているので0%に設定します。HDTV Supportでは1080p24が利用可能であることを確認。スケーラー設定はGPUスケーリングを使用しないか、アスペクト比を保つに設定。Desktop Propertiesでアンプの認識と(写真ではATI Radeon HD 4800 Series[DTC-9.8]と表示)リフレッシュレートの確認を行います。Basic ColorはビデオドライバではなくpowerDVDのセッティングを使用する設定です。プルダウン設定も確認しておきます。

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 4-2. システム設定の確認

デバイスマネージャでサウンド、ビデオ、およびゲームコントローラにAuzentech X-Fi Home Theater HDが列挙されているのを確認。サウンドのプロパティーでデジタル出力デバイス(HDMI)を規定値に設定。音量ミキサでデジタル出力デバイス(Auzentech X-Fi Home Theater HD)にチェックが入っている事を確認します。

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4-3. Auzentechドライバの確認

このカードのドライバ設定がトレイに常駐しています。左クリックでコンソールを開きエンターテインメントモードである事を確認。更にコンソール右下にあるデフォルトボタンをクリックしておきます。(ドライバを何も操作していなければデフォルトクリックの必要はありません)コンソールHDMIタブを開き、機器のデフォルトの使用にチェックが入っている事を確認。トレイアイコンの右クリックでボリュームパネルが選択できるので使用するオーディオデバイスがAuzentech X-Fi Home Theater HDである事を確認します。ボリュームパネルのバージョンは2.21.02です。設定にはマニュアルが参考になります。

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4-4. PowerDVD9 Ultraの設定

使用したのは以前購入したパッケージ版に前述したパッチを充てたものです。動画の設定はデフォルトです。ハードウエアアクセラレーションを有効にする(ATI Avivo)設定にしています。カラープロファイルはオリジナルです。

TrueHDやDTS-HDをビットストリームで出力する際に最も重要なのが音声設定です。これはやや癖があります。まずスピーカー環境をHDMI使用にして、とりあえずロスレス音声の入ったblu-rayタイトルを再生します。このとき出力モードは何でもかまいません。

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再生が始まったらタイトルの音声メニューでTrueHDやDTS-HDに切り替えます。そうするとPowerDVDの音声設定の出力モードに「デコードされていないハイデフィニション音声を外部デバイスへ」という選択肢が追加されるのでそれを選択します。これでTrueHDやDTS-HDのビットストリーム再生になったはずです。

写真ではPowerDVD音声設定タブと同時に、タイトルの情報表示を示しています。今回はTrueHDやDTS-HD MasterAudioが収録されている「イノセンス」の場合の表示です。DTS-HDを再生した場合、情報表示に、音声:DTS-HD Master Audio 6.1、出力:Compressed data 192kHz/16bit 8チャンネルと表示され、HDMI接続のAVプリアンプDTC-9.8もビットストリームでDTS-HDをデコードしている表示になっています。TrueHDの場合も同様にビットストリームハイデフィニション音声がデコードされています。PowerDVDの技術情報画面でも確認できます。

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再生中気づいた点があります(build2029)。
1)まずPowerDVDがハイデフィニション音声の設定を維持できない点で、終了毎に再設定しなければいけません。
2)また情報表示の音声出力が「Compressed data 192kHz/16bit 8チャンネル」など現実とは異なっています。
3)一時停止コマ送りから再生などへ切り替えた時点で大きなノイズが入る事があります。
これらは修正パッチ待ちです。

追記(9/23):最新パッチが公開されていますPowerDVD 9 Ultra build 2115(US), PowerDVD 9 Ultra 用パッチ:PowerDVD 9 Ultra を build 2115に(日本)。上記1)2)の修正パッチのようです。Build 2115では出力:Compressed dataとのみ表示されます。

 4-5. システムのパフォーマンス

このカードがどこまでのスペックを要求するのかはわかりませんが、今回使った自作PCは64bitOS、Quad core, SSDのハイエンド仕様です。PowerDVDの再生でもすべての操作が機敏でスムーズ、非常に安定しています。コマ送りなどもマウスでストレス無く正確に刻む事が出来ます。写真ではエクスペリアルインデックスのスコア、DTS-HD再生時のWindows タスクマネージャのパフォーマンス、リソースモニタを示しています。Hyperthreadingで8つのスレッドを同時に使っています。CPU使用率は数パーセントで推移します。

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5. Denon issue

このカードはプリアンプを選ぶようです(Auzen Driver: RC4 , PowerDVD9 Ultra buid2029)。常用しているDenon AVP-A1HDではTrueHDやDTS-HD のビットストリーム再生が出来ませんでした。上記のようにソフトウエア設定を行うとDTSやDDはデコードを行いますが、TrueHDやDTS-HD ではいわゆるhiss noiseにしかなりません。これは一部ではDenon issueと呼ばれメーカーも確認しています。(ASUS Xonar HDAV1.3ではDenon AVP-A1HDを認識できます。)以下AVSより引用。

Although the problem seems to be confined to AV receivers manufactured by Denon in 2007 or earlier, we are not suggesting that the receiver is at fault. Instead, we expect that there is a compatiblity issue that has resulted from changing specifications.

因みにメーカーが現時点で動作確認を行ったアンプは以下のもののようです。

Partial List of Receivers Tested by Auzentech with the Auzen X-Fi HomeTheater HD:
ONKYO TX-SR607, ONKYO TX-SR507, ONKYO Professional PR-SC885P, Integra DTR-5.8, Integra DTR-9.8, DENON AVR-3310CI (manufactured after 2007), DENON AVR-2310CI (manufactured after 2007), YAMAHA RX-V863, YAMAHA RX-V765, YAMAHA RX-V3900, Marantz SR6003

よって今回は手持ちの生産終了モデル、Onkyo DTC-9.8を使っています。このアンプは発売当時は先進的で、コストパフォーマンスの高いモデルでした。Onkyoは現在もPCと親和性の高いアンプを作るメーカーの一つです。写真では上がDTC-9.8, 下がDenon AVP-A1HDです。背面のバランスアナログ端子差し替える事で使い分けています。

(10/9追記) 発売元DTC Japanはデノンのアンプに対応するためのファーム書き換えのアナウンスを行いました。公式には本体送付での対応のようです。

(12/7追記)上記ハードウエアファームの書き換えを日本法人送付で行いましたが、Denonの問題は改善しませんでした。この点日本法人に問い合わせましたが、メールに対する返答がありません。サポートに問題なしとはいえません。

しかし、この問題はサウンドカードメーカー単独の問題ではなく、AVアンプメーカー、ビデオカードドライバ、再生ソフトウエアなどが関係してくるEDIDの問題のようです。とりあずえず、PCのモニタードライバをカスタマイズして自力で解決しています。EDID override モニタードライバを使うとPowerDVD9 build2320でAuzen→ATI HD5800→Denonの接続でもビットストリーム出力が可能です。

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6. Auzen X-Fi HomeTheater HDとパイオニアBDP-LX91の画質・音質比較

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 さて本題です。BDP-LX91は発売当初から使い続けていますが、高品質で安定感のある再生機です。前回は新型PS3との比較でも使用しましたが、今回も同じタイトルを使ってAuzenとの画質・音質比較を行いました。比較の条件は上の図に示しています。映像比較はスクリーンに投影された画像をCanon EOS50Dで定点撮影したものです。

[撮影条件] CANON EOD50D:ファームウエア107、マニュアルモード(Tv2,Av5.6)、評価測光,ISO100,レンズEF-S18-200mm f/3.5-5.6IS,画質ファイン(4752×3168)、ホワイトバランスオート、シャープネス3、ストロボ非発光、Photoshopで1000x667にサイズ調整。三脚GITZO G1220Mk2, 雲台HUSKY Quick-Set 3Dヘッド。リモートシャッター使用。 

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画質比較の際のシアタールームの様子です。左奥が200インチサウンドスクリーンに投影された映像、右手前はHTPCを設置しているコントロールブースでスクリーンとは約8メートル離れています。コントロールブースのサブモニターの一つには同じ映像を表示しています。撮影はスクリーンから6メートルの距離から三脚とリモートシャッターを使用して定点撮影を行っています。

6-1. 画質比較

              Auzentech X-Fi HomeTheater HD                                                                 BDP-LX91

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「イノセンス」オープニングからのシーンで比較しています。新型PS3の記事で使用したシーンと同一です。左がAuzen、右がパイオニアです。実際はより鮮明に違いが判りますが、解像感、コントラスト、サチュレーション、動きの滑らかさ、いずれもパイオニアのほうが上手です。上段は角膜の透明感、虹彩の質感、瞳孔周囲の文字の鮮明さ、その動きの滑らかさなどに注目しています。中段は皮膚の質感、立体感、血管の鮮明度などを見ています。下段はプロジェクターVictor DLA-HD750の信号情報表示画面です。更にビデオドライバー等の設定を煮詰める余地を残していますが、同じ1080p24にしても8bitと12bitでは勝負にならないのは当然かもしれません。Auzenの映像の比較対象としてはASUS Xonar HDAV1.3が妥当かもしれません。

6-2. 音質比較

音質は充実しています。さすがサウンドカードが主力のメーカーです。高域から中低域まで満遍なく解像感の高いクリアな音質です。全てに芯が太く存在感のある音で、S/Nがいいのか音量を上げる事が出来ます。サラウンドもクリアで微細な反響音も聞き取れます。これはBDP-LX91といい勝負です。ASUS Xonar HDAV1.3よりも迫力のある音を聞かせます。ASUS(C-Media,CMI8788)とはnative-PCI Express(Creative X-Fi)の違いが出ているのかもしれません。

7. 最後に

Auzentech社はCreative X-Fiチップの供給を受けて意欲作を出している2006年設立の新興米国メーカーです。Auzen X-Fi HomeTheater HDは発表から発売延期を繰り返し長らくたって世に出た商品です。数少ない需要にも関わらず、開発を断念しなかった同社に敬意を表しますが、発売時点でアンプとの相性問題を解決しえなかった点は残念です。

サウンドカードメーカーらしく非常に高音質です。映像は、ビデオカードとそのドライバの設定と品質、また再生ソフトウエアの出来にも左右され、現時点では再生専用高級機の敵ではないようです。ASUS Xonar HDAV1.3, 新型PS3とのビットストリームスクランブルテストも面白いかもしれません。

8. Appendix

9. 特報! -Radeon HD5870単体でTrueHDとDTS-HD MAのビットストリーム出力が可能に(9/23追記)。

別途記事を掲載(Radeon HD 5870: HDMIビットストリームHD音声出力が可能なビデオカード登場)

発売間直のRV870, Radeon HD5870では、ビデオカード単体でブルーレイの映像とビットストリーム音声出力が可能になるようです。米国では既に評価版での検証映像が公開されており、PowerDVDとRadeon HD4870でHDMI出力のTrueHD, DTS-HD MAビットストリームをDTC-9.8がデコードしている様子が掲載されています。そのためのPowerDVDのパッチが来週にも公開されるとの事。本当ならASUS Xonar HDAV 1.3やAuzenは苦境に立たされます。未だ画質や音質に言及はありませんが、システムが非常に簡素になりユーザーとしては朗報です。

次回はWindows7、Core i7、P55チップセット、Radeon HD5870でのパフォーマンスを検証する事になりそうです。


この記事は2010-06-01に更新しています。初稿に加えた重要な変更箇所は赤で記載。

3 Comments

    monolithさん
    返信ありがとうございます。
    このカードおもしろいですね。購入を
    決めしました。
    PS3とカードが届き次第アナログ出力できるか報告したいと思います。
    今、windows7RC、i7 860、GTX260で組んでるんですが、ビデオカードを変えようと思っているのでHD5780の
    検証とこのカードの記事楽しみにしています。Fermiも気になりますが・・・

  • sunさんこんにちは。答えにはなっていませんが可能かもしれません。

    このカードは新型PS3のHDMIビットストリームは受け付けます。試しに新型PS3からのHDMI出力をAuzenのHDMI入力へ、AuzenのHDMI出力をAVアンプに接続してみました。新型PS3でブルーレイのDolby True HD収録ディスクをかけると、ビットストリームでAuzenを経由し、映像とTrueHD音声をアンプに送ります。アンプ側もTrueHDを認識し正常のデコードを行います。したがってHDMI外部入力をスルーすることは可能です。

    さてお尋ねのアナログ出力ですが、当方にアナログ環境が無いのでテストすることは出来ていません。映像は可能だと想います。音声もできる可能性がありますが確認はできません。アナログ音声に関してはAuzenのコントロールパネルからの印象では、ミキサーとそれに関すると思われる設定項目があるので可能のような気もします。

    あまり時間が取れなかったので上のような結果ですが、私は考え付かなかった結線方法で、楽しませていただきました。更に詳細な検討を加えて、近いうちにまとめてブログの記事にしてみます。

  • こんにちは、カードが気になり検索した結果このサイトにたどり着きました。
    このカードの購入を考えています。
    このカードを使ってPS3をHDMI入力接続
    ディスプレイにHDMI出力、7.1chアナログ出力ということは可能でしょうか?
    教えていただけないでしょうか?

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