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hardware review of home theater and self-made devices

自作PCケース

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自作PCケースです。PCパーツを入れ替えながら5年間使い続けているものです。HTPCあるいはAudioPCとして使っています。

1.設計コンセプト
2.素材と加工
3.大きさ
4.ベースプレート
5.トップカバー
6.PC全体像
7.アルミの曲げと穴あけ加工
8.市販と自作のPCケース雑感

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1. 設計コンセプト

金属製
十分な強度と耐久性
マザーは水平設置
水冷空冷パーツの組み込みができる十分なスペース
PCパーツの組み込み際の作業性が良い事
ケースの改良がしやすい事
内部の点検、動作確認が容易

2. 素材と加工

3mm厚のフルアルミ製です。5年前に作ったもので、以降ずっと使い続けています。アルミはホームセンターで入手、金属の中でも柔らかく加工性が良いのが特徴です。電動工具は木工用のものを全て流用できます。曲線を出すのは難易度が高く、全て矩形の切り出しです。直角のアングルを各辺の骨格にして、切り出したアルミパネルをステンレスボルトナットで止めて強度を出しています。ヒトが乗っても平気です。外側はアルミで内側は1ミリ銅のプレート、中間に金属製の1ミリ電磁遮蔽シールドプレートを挟み、計5ミリ厚になっています。基本的には作業性の良い金属から選んでいますが、アルミは電磁遮蔽性能、銅は導熱導電性が良い事から選択しています。

3. 大きさ

紹介するのはATXマザーボードのみを収容するケースです。ドライブ、電源やハードディスク用のアルミケースは別に作っています。(6.PC全体像参照)冷却性能評価や改良作業の効率化のため、主要な熱源ごとのケースを別に製作しています。マザーボードケースは大型の冷却パーツを使用するため十分な高さを確保しています。底面はATXマザーより一回り大きく、高さは市販最大級のCPUクーラーが実装できる大きさです。(400×300x200) またマザーをmini-ITXなどより小さいフォームファクタにすれば、電源やHDDなど全てのパーツをこのケース内に組み込めるようにしています。

4. ベースプレート

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マザーを固定するベースプレートとトップカバーで構成。カバーは上から被せるように嵌め込むだけの構造です。ベースプレートにはATX規格の固定用のナットを埋め込んでいます。PCIカードスロット部のカード上部はアルミ板で枠を作り、下部はスリットを切っています。カバーは無くても、このベースプレートだけでマザーの動作確認用のベンチとして使用できます。

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現在の構成はマザーがASUS P5K, オーディオカードLynx AES16eSRC, HDMIカードASUS XONAR HDAV 1.3, VGAはSapphire HD4850です。

 

5. トップカバー

アルミ製の市販のハンドルを付けていて、ベースプレートに被せるように嵌め込みます。IOパネルとカードスロット部はマザーの種類によって形状が若干違うので、何回か改造しています。改造は適合する異なる形状のパネルを切り出し、ボルトナットで取り替えるだけです。作った当初は外観を整えるためカードスロット部にアルミメッシュのカバープレートを装着していましたが、作業性が悪くなるため撤去しています。

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6. PC全体像

下の写真はPCの全体像で、アルミの2重箱になっています。外箱は棚に作り付けで、その中にマザーボードケース、ドライブケース、電源ケースやHDDケースを置いています。上右はHDDケースです。当初は水冷にしていましたが、最近はCPUの高性能化で発熱が問題になることも少なく、現在は通常の空冷仕様です。(水冷PCの詳細へのリンク

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7. アルミの曲げと穴あけ加工

金属加工は難しそうに感じますが、やってみると木工とほとんど変わりません。ただ金属を扱うので切断時に火の粉が散ったり、鋭利な断面で怪我をしやすいので注意が必要です。金属くずの処理も丁寧に行う必要があります。写真はアルミ板の垂直曲げ加工 (HOSAN K-130) と穴あけの様子です。この程度の加工ならとても簡単です。

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 8. 市販と自作のPCケース雑感

自作と市販品を比較するのはあまり意味がありませんが、実際自作してみると市販のケースがいかによく出来ているかがわかります。当然ですがその工作精度は素晴らしく、とても手作りでは真似できません。値段も妥当です。パーツの組み込みや、強度のとりかたも驚くべき方法のものがあります。市販ケースはSilverstone, Lian-Li, Coolermaster など購入していますが、どれも良く出来ていて自作の参考になるコンセプトが豊富です。

対して自作ケースは膨大な手間がかかり、凝るとコストは高くつきます。精度もそれなりで、見た目もスマートではありません。しかし、自作の最大のメリットは創作欲を満たせる点です。自己満足です。

そういってしまえばおしまいですが、用途に合わせて自由に素材と形状を選べる点は見逃せません。あまりに機能特化した市販製品は無いのが普通です。

 このマザーボードケースはとても気に入っています。長く使い続けられるのは、構造が単純で作業性が非常に良いからだと思います。改造も簡単で気軽にパーツやマザーを入れ替えることができます。机の横の棚において、トップカバーなしで組み込みパーツの動作確認が出来るので、検証作業にも向いています。

製作期間:通算30時間。材料費:約3万円、電動工具:まるのこ、ドリルドライバー、サンダー。手動工具:ヤスリ。その他:潤滑オイルなど。



この記事は2010-05-11に更新しています。初稿に加えた重要な変更箇所は赤で記載。

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