UDT2010: part2 (セットアップとベンチマーク)
Universal Digital Tranport (UDT2010) part2
Universal Digital Transport 2010 /UDT2010
experimental one off product for PC audio
produced by Monolith Craft
FEATURES:
● Self-made rigid aluminum 1U case.
● Ellegant and luxury aluminum hair line finish with gold-plated bolts.
● Simple front design with signal LEDs and midship mounted optical drive.
● Low system noise by direct CPU cooling with large low-speed fan and 150W DC drive.
● Fast data access by SSD Striping.
● AES 16ch studio quality digital audio interface powered by Lynx Studio Technology and HD audio bitstreaming over HDMI with FullHD 1080p via Intel Corei5 661
●Flexible signal asign and device control of sound system by ”System Architect” on ethernet.
今回はPCのセッティングやベンチマークなどのパフォーマンスについて書いてみます。Part1では自作ケースの概要、Part3ではPCオーディオのパフォーマンス、part4ではブルーレイHDオーディオのAES出力を紹介しています。
Universal Digital Tranport (UDT2010) Part1: PCケースの自作(1Uラックマウント型)
Universal Digital Tranport (UDT2010) Part2: セットアップとパフォーマンス—この記事
Universal Digital Tranport (UDT2010) Part3: Lynx AES16e-SRC (PC audio Part2)
Blu-ray HD audioのsoftware decordによるAESデジタル出力(UDT2010) part4
下は自作の19インチラックにマウントしたUDT2010
INDEX
1-1. 拡張性に乏しいが性能的には十分
1-2. RAIDが可能なH57チップセット
1-3. ドライバやbiosの更新が容易で、至れり尽くせり の公式サポート
1-4. クラシックなボードデザイン
2. ブルーレイスリムドライブ Sony Opticarc BC5500S
3. 使用パーツ一覧
4. ベンチマークなど
4-1. CrystakDiskMark3.0, Windows Experience Index
4-2. Intel Desktop Utilities
5. ブルーレイ再生(HDMI ビットストリーム)
6. 最後に
1. Intel DH57JGのセットアップ
1-1. 拡張性に乏しいが性能的には十分
Intel DH57JGはmini-ITXフォームファクタのマザーです。CPUにCorei5-661を使うとオンダイのGPU(IGP)を使って、拡張VGAカードなしにHDMIからFullHD1080p映像出力ができます。同時にHD audioビットストリーム出力にも対応しています。ブルーレイなどマルチメディア再生を目的としたPCとしては、最もコンパクトに仕上がります。
メモリーが2スロット、pCIex16が1スロットと拡張性は制限されますが、IGPを使えるのでPCIeスロットはサウンドカードが利用できます。残念なのはFirewire端子がないことです。
1-2. RAIDが可能なH57チップセット
H55との大きな違いはRAIDを使えることです。H57の機能をフルに活かして、IntelのSSDを利用してRAID stripingを設定しています。OSインストール中にRAIDドライバのプリインストールが必要です。AHCIやRAID ドライバに不適合や不具合があると、起動時間特にユーザーパスワードを入れてから画面表示までが長くなります。
Intel公式サイトにあるプリインストール用RAIDドライバ
1-3. ドライバやbiosの更新が容易で、至れり尽くせり の公式サポート
Windows7 Ultimate 64ビットをインストールしています。特に難しいところはなく他のボードと同じ手順です。BIOSはASUSなどに比べると変更できる項目が少なく、特にオーバークロックなど遊びの要素はありません。Biosの更新はOS上からでも可能です。Intelのwebsiteにはドライバー自動診断機能があり、現在のドライバーと最新のドライバを表示し、更新すべきかどうか教えてくれます。Latest driverをダウンロードし上書きすれば簡単にアップデートできます。更にドライバーのリリースノートも充実しています。知りたいほとんどの情報は公式サイト上に用意されています。非常に親切です。
Intel公式サイトでのソフトウエア・ドライバ・BIOSダウンロード選択画面
1-4. クラシックなボードデザイン
最近のASUSやGIGABYTEなどの豪華なマザーボードと比べると、液コンが多用されていたりして、やや古い印象を受けますが価格相応です。その点同じClarkdale 対応mini-ITXとして競合するH55を実装したZOTAC H55-ITX は、WiFiまでついて豪華仕様です。ただ、ZOTACはサポートが弱く、現時点ではPCIeスロットがx16VGA専用でx1サウンドカード(Lynx)が動作しません。
ZOTAC H55-ITX
2. ブルーレイスリムドライブ Sony Opticarc BC5500S
BD対応スリムドライブは多くはありません。これはVAIO ノート用のBD-ROMx2対応で、Sony Optiarc のバルク品です。この手のドライブはファームウエアの更新に苦労しますが、幸いにも更新できました。マウント金具やフロントベゼルは自作ケースに合わせたアルミの自作物です。最近のブルーレイディスクの再生も問題ありません。SATAと電源端子が特殊です。下はファームウエアフラッシュユーティリティーでファームを更新している様子です。
3. 使用パーツ一覧
企画製造元、ブランド | Monolith Craft , HTPC HAL series (非売品) | |
型番 | Universal Digital Transport-2010 (1Urack mount type) | |
材質 | 3mmアルミニウム筐体 (リア2mm) ヘアライン仕上げ | |
本体外寸 | 本体425×320x60mm, 前面パネル482.6×65x3(t) JIS1U仕様 | |
ハードウエア仕様一覧 | ||
OS | Windows 7 Ultimate x64 | |
MB | Intel DH57JG (mini-ITX) | |
CPU | Corei5 661 | |
IDE/SSD | Intel SSDSA2M0G2GC 80GBx2 (RAID0 mode) | |
Memory | memory: Corsair CMX4GX3MsA1600CB, 2GBx4. | |
PSU | Mini-Box PicoPSU-150-XT, FranMar 150W AC Adaptor | |
Blu-ray Drive | Sony Optic Inc. BD-ROM/DVD/CD RW BC-5500S | |
Sound Card | Lynx Studio AES16e-SRC (PCIex1) | |
SSD dual bay | ANIEX Dual bay mobile rack | |
CPU cooler | Dynaton K128(modified) | |
音声出力仕様 | 16ch AES in/out, HDMI 1.3 out, optical, coaxial digital out. | |
ソフトウエア | ||
ブルーレイ再生 | PoerDVD10, WinDVDpro2010, Total Media Theater | |
HDMI HD オーディオビットストリーム出力(TrueHD, DTS-MA) | ||
1080p ハイビジョン再生 |
4. ベンチマークなど
4-1. CrystakDiskMark3.0, Windows Experience Index
組みあがったところで、CrystakDiskMark3.0 と Windows Experience Indexをとってみました。SSD RAID は妥当な値です。Experience Indexはメモリとグラフィックが相対的に低い結果です。ASUSの場合はXMPの設定があり、これだけで高速化できますが、このボードのbiosには設定がありません。グラフィックの値が足を引っ張っていますが、ブルーレイ再生には問題ありません。
4-2. Intel Desktop Utilities
Intelにはシステムの状態をビジュアルで確認できる面白いユーティリティーがついています。Intel Desktop Utilities(IDU)ではCPUやボード上の温度や電圧を知ることができます。
ブルーレイディスクを1本再生終了しアイドリングに移行した直後のデーターです。ケース冷却はCPU冷却兼用の12センチ薄型低速ファン、CPUクーラーはサーバー用Dynaton K129を使っています。CPU温度は問題ないようです。ケース自体もCPUファンのみで冷却する構造ですが、ボード上のパーツ、特にvoltage regulator(下図参照, ボード上のD地点)の温度がやや高めです。 ケース側面にファン取り付け可能な排気口を用意しているので、危険域に達するようならファンを追加する事もできます。3ミリ厚のアルミケース自体も大型パワーアンプ並にかなり熱を持ち、ケース全体で放熱している印象です。
Thermal diodeの位置を表すイラスト。
IDUの温度表示によってボード上の温度の分布がおよそつかめる。自作ケースの場合、温度分布は
重点的に検証する項目の一つだが、Intelのサイトにはこれらの技術仕様がpdfとして配布されている。
電源はDC-DCコンバーターmini-Box PicoPSU-150XTを使っています。Corei5 661、SSD RAID, slim driveでは十分な電力供給能力があるようです。外付けAC-DCコンバーターはFranMarの150w電源です。
5. ブルーレイ再生(HDMI ビットストリーム)
Total Media Theater 3 PlutinumとIntegra DHC80.1の組み合わせでは、1080pブルーレイ再生が可能です。音声もビットストリームでTrueHD, DTS HD-MAが出力できます。これに関しては以前の記事とほぼ同じなので今回は省略します。
Clarkdale for HTPC (hardware setting)
Clarkdale for HTPC (HD audio bitstreaming)
PCケースの自作(2Uラックマウント型HTPC)
6.最後に
自作PCをはじめて以来フルサイズのATXを使ってきましたが、最近micro ATXでその小ささに驚きました。今回のmini-ITXは感動すら覚えるサイズです。大げさに言えばサウンドカードやビデオカードとあまり変わらないくらいです。それでいて機能的にはATXとあまり変わりません。拡張カードが必要なければ、これらで十分な気もします。小さくなるほど製品の選択肢が少なくなりますが、大きなケースから開放されスペースも節約でき、当分小型の自作に没頭しそうです。
今回使用したIntelのマザーは、遊びの要素が少ない分技術情報が充実していて、とても使い易い印象です。
1U自作ケースに収まったIntel DH57JG(右上). 12センチファンに隠れて本体が見えづらい。左上はSSD dual bey, 中央はサウンドカードLynx AES16e-SRC. 手前フロント中央にダンプ処理したスリムBDドライブ. 手前右のソケット状のものがDC-DCコンバータPico-PSU.
この記事は2010-08-26に更新しています。初稿に加えた重要な変更箇所は赤で記載。